音楽劇『歌妖曲~中川大志之丞変化~』

明治座初日見てきた(昨日)。

昭和歌謡版リチャード三世って何?? と思っていたけど、そうとしか言いようのない、でもそう聞いただけでは到底予想できなかった超重量級悲劇だった。

中川大志さんと対峙して殺されていく俳優さんたちの力がすべてとてつもなく強くて大きいのに(特に父親の池田成志さん)、それを全部受け止めて悲劇の炎に引き込んでいく大志さんのエネルギーのはかりしれなさ。

主人公の容貌からの連想もあるのか、ノートルダムの鐘の幻想も織り交ぜられていたように思うが、こちらはあくまで幻想で、メインのストーリーは一片の救いもない、純度100%の悲劇だった。誰も幸せにならないドン・ジョバンニっぽくもあるのかな。
ここまで徹底した悲劇を見ると、かえって気分がすっきりするのはなぜだろう。