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ホルモン療法つづき

<これまでのあらすじ>

 子宮筋腫による過多月経を放置し、重度の貧血になってしまった私。

 とにかく出血を止めるため&筋腫の成長を止めるために、エストロゲンの分泌を止める「レルミナ」というGnRHアンタゴニストの服用を開始した。

 3ヶ月レルミナを服用した後、今度はGnRHアゴニストの「リュープリン」にお薬変更。徐放性注射剤なので、決まった時間に薬を飲まなくてよくなった。最終的な作用としてはエストロゲンが止まるので、レルミナと同じ。

 ただし、エストロゲンをずっと止めていると、骨粗鬆症のリスクが高まるため、GnRHを操作する治療は6ヶ月が限度。リュープリン治療も3ヶ月が過ぎ、もうこの快適な無月経期間は終わってしまうのか。これから私、どうなっちゃうの~?

<今回のお話>

 出血が再開すると、また貧血に陥るリスクがあるので、とにかく月経を止めたまま閉経まで逃げ切りたいわけだ。

 そこで、私の主治医が提案したのは、ジエノゲストという黄体ホルモン単剤の薬に切り替えることだった。エストロゲンの作用を抑え、子宮内膜の増殖を抑える薬で、月経を止め続ける。

 これまでのGnRHを標的とした薬(エストロゲンの分泌そのものを元から止める)とは違って、ジエノゲストはエストロゲンの作用と拮抗するものなので、エストロゲンの分泌そのものを抑える力はそれほど高くないらしい。だからこそ、骨粗鬆症のリスクを減らせるというわけ。

 ジエノゲストでももちろん月経はなくなるのだが、特に飲み始めたばかりのときは不正出血が非常に多く見られるという。薬が子宮内膜を薄くする過程で起こる副作用だ。だから、もともと子宮内膜が薄くなっていれば、この副作用は生じにくいと期待できる。これまでの6ヶ月の治療で子宮内膜が薄くなっているはずの私が、これに当たる。Sequential療法といって、子宮腺筋症の治療でしばしば用いられている方法らしい(調べた)。

 で、実際どうか。

 薬を切り替えたのが月曜で、今日が金曜。まだ評価するのは早いと思うが、今のところ出血はまったくない。

 これまではエストロゲンの分泌を止めていたので、いろんな副作用(発汗とか抜け毛とか)が生じていたが、これらの症状がどうなるかについても、今後観察していきたい。

貧血治療その後

 朝イチで病院へ行ってきた。

 一ヶ月ほど前に鉄剤の点滴を打ってもらい、その一週間ほど後に採血した検査の結果、2しかなかったフェリチンが303に爆増、6だったヘモグロビンは8に。一気に増えた貯蔵鉄を使い、追ってヘモグロビンは増えるでしょう、とのことで、経口鉄剤はおしまい。

 ヘモグロビンが8でも、私自身の体感としては劇的に楽になっていたのだが、6のときはほんとにひどかったのだな……。自分で下まぶたをひっくり返してみても真っ白だったしな……(今はだいぶ健康な色になっている)。

 次の30日分のレルミナを処方していただいた。ときどき発汗があるのはしかたない副作用なので、なんとか逃げ切りましょうね、とのことで、今回の受診は終わり。

 作用機序から予想されるとおりにいろんな薬が効いていくの、気持ちよくておもしろい。

レルミナ服用後の体調・症状について(婦人科の話なので畳みます)

 ・前回の月経(服用を始めた周期)が2週間くらいに延びた。ネットで調べるとよくあることらしいが、念のため、先生に報告して質問してみたところ、量が少なければ心配ないとのこと。うん、心配なさそう。

 ・その後、たま~にごく少量の出血があったものの、一ヶ月ほど服用を続けた今はなくなっている。これも先生によれば心配ないとの話で、特にもう出血がなくなっているのであればまあ順調と考えられるということだった。

 ・副作用として、頭痛はわりと頻度が高いらしく、先生にも薬剤師さんにも聞かれたが、少なくとも私は頭痛をおぼえることはなかった。今のところだが。

 ・めまいがときどき起こる。ただ、メニエールのせいなのか、薬のせいなのか、まだ完全に治っていない貧血のせいなのか、これはちょっとよくわからない。無理しなければよさそう。

 ・胃腸症状もなく、お通じがよくなった気がする。筋腫が小さくなっているからか? 経口鉄剤がなくなったからか? なお、経口鉄剤で胃痛や悪心の副作用はよく聞くが、これも私にはまったく起こらなかった。もともと胃腸が丈夫だからかもしれない。

 ・総じて、めまいと発汗を除けば、特に重い副作用はない。それどころが、月経がなくなってとても快適。

ホメオスタシスのありがたみ

 発汗の症状はほとんどなくなった。さすがホメオスタシス。

 薬で上流からカスケードごと生体情報伝達を強力に制御するというのも、あながち悪いことでもないのかな、などと考えている。(なんかいろんな変数を無視してよくなりそうで、話が大変シンプル)

副作用

今日は、ふわっと汗が出ることがたびたびあって、なるほど、これがホットフラッシュの副作用というやつか、と感心している。

追記:
わりと不快なので、エアコンの設定温度を下げてみたところ、格段に楽になった。体を気持ちいい範囲で動かすのもいいっぽい。

GnRHアンタゴニスト

 そんなこんなで鉄を補給しつつ、鉄が出ていかないように、GnRHアンタゴニスト製剤(レルミナ)を飲んでいる。

 脳下垂体にあるGnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)の受容体の働きを止めることで、同じく脳下垂体から出る性腺刺激ホルモンを止めて、その結果、卵巣から出るエストロゲンやプロゲステロンも止める、というおくすり。

 月経が止まるので、出血による鉄の喪失が抑えられる上に、エストロゲンで成長する子宮筋腫も小さくできることが見込まれる。私のホルモンはまだ元気にドバドバ出ているようなので、薬で抑えながらなんとか閉経まで逃げ込みましょう、という治療方針。

 偽閉経状態になるので、更年期のような症状が出るかもしれません、とのことなのでどきどきしているが、今のところまだこれといった異常は感じられない。もう少し薬を飲み続けたらなにかあるかもしれないので、覚悟はしておこうと思う。

 ところで実は、私は修士の学生だったころにGnRHの研究をしていて、論文もあるのであった。自分にGnRHアンタゴニストを投与するのは、なんとなくくすぐったい感じがする。

ポパイのパワーって

 ホウレンソウを食べたポパイのスーパーパワーは、貧血が解消された人の実感を表しているんじゃないか。

 と思ってしまう程度に、貧血治療のめざましい効果に感動している。

 実は先週、血液検査の結果、貧血の数値があまりにもひどいとのことで、すぐ来なさいとお医者様に呼ばれ、鉄剤の点滴も受けてきた。

 ヘモグロビンが6(正常値は11.5~15.0)、フェリチンが2(正常値は4.0~87.0)で、普通の人の半分以下の酸素でずっと活動していたらしい。なんてこと。

 点滴してもらったお薬は「モノヴァー」といい、日本で製造販売承認されたのは比較的最近(2022年)のようだ。

 鉄とデルイソマルトースの複合体(デルイソマルトース第二鉄)を血中に投与し、複合体ごと細胞に鉄を届けて、細胞内で無害な鉄の形にする、というしくみ。毒性の高い遊離鉄の発生が抑えられるので、一度に高い用量の鉄を投与できる。

 このバイオアベイラビリティの高そうな薬で、私の場合、500 mgの鉄をいっぺんに投与してもらった。ちまちま経口で鉄剤を摂取するより効くのは当然で、継続して動いていられる時間が一気に伸びた(ただし投与二日後に38.5℃の発熱があった。解熱剤飲んで寝たらすぐ下がったが)。

 開発したファーマコスモス社の特許を調べてみると、関連しそうなのはこのあたりかな。

 特許第5426010号(特許権存続中。存続期間の延長登録あり)
「安定な鉄オリゴ糖化合物」

 特許第4558198号(特許権の存続期間満了)
「鉄欠乏症の予防または治療のための治療組成物の成分として用いる鉄-デキストラン化合物、および前記鉄-デキストラン化合物の製造法」

 点滴の鉄剤としては、2019年に製造販売承認された「フェインジェクト」というお薬もある。

 こちらは、鉄とカルボキシマルトースの複合体(カルボキシマルトース第二鉄)。開発したビフォー社の特許で関連しそうなのはこのあたりだろうか。

 特許第4777653号(特許権存続中。存続期間の延長登録あり)
「水溶性鉄-炭水化物複合体、その製法、及びそれを含有する薬剤」

 特許第5225289号(特許権存続中)
「鉄-炭水化物錯体化合物」

 特許第5289413号(特許権存続中。存続期間の延長登録あり)
「水溶性鉄-炭水化物複合体、その製法、及びそれを含有する薬剤」

 特許第5259700号(年金不納による特許権消滅)
「水溶性鉄-炭水化物誘導体錯体、それらの製造、及びそれらを含有している医薬品」

 特許第5060312号(年金不納による特許権消滅)
「鉄(III)錯化合物の用途」

 「フェインジェクト」も「モノヴァー」も、鉄と糖の複合体なのだが、「フェインジェクト」は糖がカルボキシマルトースであり、「モノヴァー」は糖がデルイソマルトースであるという大きな違いがある。

 鉄と糖の複合体を含む静注用鉄剤としては、以前からデキストラン鉄と呼ばれるものがあったらしい。ただし、デキストランにはアナフィラキシー反応などのリスクがあったことから、それを解決するために、 「フェインジェクト」と「モノヴァー」はそれぞれ違うアプローチを取った(前者はデキストラン不含有とし、後者は低分子量オリゴ糖のデキストランを用いた)という理解。

歯を2本抜いた話

 自分の体メンテ集中期間、貧血治療のほかにもうひとつ大きいイベントに、「余分な歯」を抜くことがあった。

 私には余分な歯が2本生えていた。ひとつは文字どおりの「過剰歯」で、左下の第2大臼歯と第1大臼歯の間の内側というヘンなところに顔を出していた。もうひとつはやはり左下の親知らずで、半分埋まっていたもの。

 過剰歯については、以前、一度抜いてもらおうとしたのだが、某大学病院で2時間かかっても抜けず、「様子を見ましょう。そのうち根っこが吸収されるかもしれないし」ということで様子を見ていたものだ。

 ただ、場所が場所でケアもいよいよ面倒だし、歯医者さんと相談して、抜歯できるかどうかの判断も含めて診察してもらうべく、近所の大学病院に紹介していただいた。

 紹介先での診断の結果、やりましょう(抜きましょう)ということになり、さてどうなるかと本番に臨んだのがつい先日。

 私の過剰歯は頭が小さいわりに根っこが長く、骨にがっちりしがみついていて大変だったとのことで、1時間くらいかかったものの、ぶじに抜歯成功。その後の経過も順調。長らく舌の左側に触っていた余分な歯がなくなり、口の中が広くなった感じがしてすっきりした。

 この勢いで、最後の親知らずも抜歯したのが今日。こちらはものの数分であっさり抜けた。見せてもらったら、これがまあ大きくて、よくぞここまですくすく育ったものだと思った。

 長年の懸念事項が解消されてよかった。年取って体力がなくなる前、40代のうちにやっておきたかったのだ。

 

鉄剤すごい

 数年前から進行し始めた貧血(鉄欠乏性貧血)がいよいよシャレにならなくなってきたので、治療を始めた。

 いろいろ考えるとこれは婦人科マターだろうなと思ってはいたものの、内科的治療でどうにかなるレベルから外科的治療が必要なレベルまで、いろいろなパターンが予想される。
 子供の受験やら夫の仕事やら家の雑務あれこれやら、それにもちろん自分の仕事のスケジュールやらを考えると、外科的治療が必要と判断された場合、すぐには困るなと思って先延ばしにしていたのを、もう待ったなしであろうと判断したのが6月。

 とりいそぎ(遅いのだが)評判のよさそうな近所の婦人科に電話してみたら、評判がよさそうなだけに予約がそうそうすぐには取れなかった。
 あんな都合そんな都合をすり合わせて、ようやく受診したところ、やはり過多月経が問題ですねということになり、治療を開始していただけた。

 貧血の方にはおなじみの鉄剤を飲み始めた時点で、もう楽! 体がものすごく楽! 疲れないし動悸もしないしめまいもしない。今までどれだけ細胞に酸素不足の負担をかけていたのかと申し訳なくなるレベル。

 採血してもらった看護師さんに「貧血が治るとね、もうものすごく楽になりますよ。びっくりするくらい体が軽くなるから」って言われていたことが、まったくそのとおりに実現してびっくりした。

 その看護師さんは助産師でもある年配の女性で、採血しながらいろいろ話を聞いてくれた。
 家が落ち着いて、ようやく来ましたーという話をしたら、「そうなのよ」と。
 「お母さんはみんなそう。夫が第一、子供が第一。子供が大きくなるまでは、とか旦那さんの仕事のこれが終わるまでは、とかで自分を後回しにしちゃうんですよね。でも、自分も第一にしてね」と私の手をさすりながら声をかけてもらえて、泣きそうになった。

自分メンテはじめました

 この春、子供が大学生になって家を出て、夫も教授職を得て単身赴任し、子供を二人育て上げたような気持ちになった。
 子供はともかく夫は大人だろうと言われそうだし、私もそう思うのだが、夫は50代半ばの典型的な昭和男で、まあそういうことである。

 しかも2月には、うちのリビングのベランダに面した隣のアパートが火事になり、朝から避難するという騒動があった。その後、現場側の窓ガラスの大部分にヒビが入って、網戸の網は焼けて溶け落ち、エアコンの配管・配線がカバーも含めて焼け焦げるなどの類焼被害があった。その修理がすべて終わったのが6月半ば。

 ようやく諸々(ほんとうに諸々)落ち着いたので、6月後半から、これまで後回しにしてきた自分の体のメンテナンスをぼちぼち始めた。詳しくはそのうち書くかもしれないし、書かないかもしれない。

 とりあえずいくつかの病院にお世話になりはじめて、改めて医療と医療従事者の皆さんのありがたみが身に沁みる。これらの厄介ごとを、もう自分だけで抱えておかなくていい、というだけで、心の方も驚くほど軽くなってきた。
 自分のケアにも他人様の手をお借りすることは大事。とても大事。