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ラクダが死に、サボテンが死に、線虫が生き返る

愛知 岡崎の動物園 ヒトコブラクダ死ぬ 熱中症か|NHK 東海のニュース

アリゾナのサボテンが次々に枯死、暑さの限界超え – CNN.co.jp

4万年の眠りから覚醒 シベリア永久凍土の線虫 再び動き出す | NHK | ロシア

線虫は人為的に起こしたんだけども。
しかし温暖化が続いたら、思いもよらない昔の微生物が目覚める可能性もありそう。ドクターKの南極封鎖編をちょっと思い出した。

なにがどう

結局、昨日問題になったTwitterの新ポリシーは黙って削除され、イーロンが自分の進退についてユーザ投票を実施した挙げ句、CEO辞任すべきの票が6割近くを占めたとか、なにがなにやら。

Twitter、他のSNSリンクの投稿禁止を撤回か? 新ポリシーに関するツイートとヘルプページが削除される

イーロン・マスクのTwitterCEO退任投票は退任賛成が過半数に達したものの「投票はボットによるもの」「投票権はTwitter有料会員に限定すべき」という意見にイーロン・マスクが賛同

カタールでイーロンがトランプの女婿と接触していたことから、次期CEOに彼をリクルートしてるんじゃないかとの憶測も。

Will Elon Musk’s ultimatum cost him Twitter?

一度Fediverseに軸足を置いてしまうと、一連の騒動はコップの中の嵐のように見える。
その嵐が渦巻くコップの中にいる人たち自身が、騒ぎすぎだと言ったり、いつもの茶化しに逃げたり、抗議する人たちを、曖昧な規約を都合よく読みながら嘲笑したりしている光景をも含めて。

レイシズムやセクシズムが許容され、反科学的な(歴史も医療も)言説が肯定的に拡散される場所に、わたしはもういたくないし、自分の言葉がその場所を潤すことに利用されるのも勘弁だ。

Twitterどこ行くの

Twitter、Mastodon他のSNSへのリンクツイートをポリシー変更で禁止(SNSの有料広告ならOK)

Promotion of Alternative Social Platforms Policy | Twitter Help

 今のところ、別のソーシャルプラットフォームのコンテンツを宣伝することを主目的として使用されているアカウントがサスペンド対象になっているようだけど、「主目的」(main purpose)がどう判断されるかわからない(たとえば、Fediverseサーバに移行するよというツイートを最後に更新を停止しているアカウントは?)。
 そもそも、「Twitter社は今後、Twitter上で特定のソーシャルメディアを無料で宣伝することを禁じる」と明言しているし、Facebook、Instagram、Mastodon、Truth Social、Tribel、Post、およびNostrへのリンクを張ったり、そのハンドルネームを示すのはポリシー違反、と明言されているので、抑制効果はばつぐんだ。自由な言論の場が聞いてあきれる。

 イーロン:誰かにとって理不尽なルール追加
→ユーザ :ルールに従えばいいんでしょ。破ってbanされるのは自己責任
→イーロン:もっと広範囲な誰かにとって理不尽なルール追加
→ユーザ :ルールに従えば(以下略

の繰り返しで、ルールを作る側に都合のいいユーザだけが残る仕組みのようで、なるほど示唆に富んでいる。

 最初に同意した規約になかったルールが追加される場合、ユーザは文句のひとつやふたつ言えるべきだし言うべきではと思うが、そういった声を上げる意欲にすら強烈な抑制がかかっているのが現状に見える。

 新しいルールに同意するかどうか聞かれていないため、わたしはTwitterのプロフィールからマストドンへのリンクを削除しないけど、それでbanしたかったらしてくれてかまわない。
 こうやって「これを口にしてはいけない」という恐怖でユーザを押さえつけようとする思想そのものが、わたしにとっては許しがたい。

Fediverse参入する? しない? 問題

 これまでずいぶん長いこと、Twitterとかfacebookみたいに大きな独立系(中央集権型)SNSがソーシャルネットワークの中心だったから、そこで築かれた人間関係は、誰にとってもかけがえのないものになっているだろう。わたしにとってもそうだ。失いたくない。

 でも、ある日、自分が所属しているコミュニティのボスが恐怖政治を敷き始めたらどうだろうか。
 そのボスの気に入らない運営スタッフは理不尽に解雇され、ボスにとって都合の悪い発言をしたコミュニティメンバーは問答無用で発言権を奪われる。申し訳程度にボスのフォロワーに対して多数決をとり、その結果次第で発言権の回復か永久停止が決まる。

 今回のTwitterにおけるイーロン・マスクのふるまいは、わたしにとっては耐えがたいものだった。

 ボスの機嫌を伺いながら、自分以外の誰かが迫害されている(これから迫害されるかもしれない)ことから目を逸らして、そのコミュニティに安住することを選択する?
 確かに、同じような選択をした友人たちとの関係は保たれるかもしれない。
 でも、何事もなかったかのように自分がそこに居続けることで、ボスのやり方を消極的に支持していることになる。
 きわめて理不尽な踏み絵だから、前者を選んだ人が責められるべきではないのは当然だが、わたしには無理だった。

 自由に発言し、その発言の責任は自分でとる、というポリシーを貫くなら、どの中央集権型コミュニティにも属さないプラットフォームを自前で築くしかない。
 しかしそれでは、自分の発言を他人に届けるためにはあまりに力が弱い。

 実はイーロン以前からこの点は問題視されていたが、今回新たに注目を集めているのが、Mastodonを始めとする分散型SNSのオープンソースソフトウェアだ。たとえばMastodonソフトウェアを自分のサーバにインストールすれば、誰でも自分がオーナーになってSNSを作ることができる。ほかにもMisskey、Pleroma、GNU Socialなど、いろいろなマイクロブログソフトウェアが開発されている。
 こういったソフトウェアは皆、共通してActivityPubというプロトコルを使っている。そのため、異なるソフトウェアを使ったプラットフォーム間でフォローし合うことができる仕組みだ。
 ActivityPubに対応した種々のプラットフォームがまとまって形成するソーシャルネットワークがFediverseと呼ばれている。

 Fediverseに最初に飛び込むなら、とりあえず既存のMastodonサーバ(mstdn.jpやfedibird.com)やMisskey(misskey.cloudやmisskey.io)、HIVE socialといったサーバ(インスタンス)にアカウントを作って、サーバ内外のアカウントとつながるのが手っ取り早い。
 たとえばmstdn.jpにアカウントがある人でも、fedibird.comにアカウントを持っている人をフォローし、フォローしてもらうことができる。
 既に多くのメディアや著名人もMastodonに参入し[1]Mastodon Migration 、欧州では政府機関のためのMastodonサーバが設置され[2]Phil Lee: “This is significant … The G…” – Mastodon、世界中でアカデミアのコミュニティも続々とできている[3]Academics on Mastodon
 これらをフォローするだけでも当分は退屈しないだろう。

 ただ、もちろん、既存のFediverseサーバに自分のアカウントをもっている限り、そのサーバのオーナーがボスであり、そのボスの方針に従わなければならないことに変わりはない。
 今、ほとんど手弁当でFediverseサーバを運営してくださっている人たちは、少なくともイーロンよりははるかに良心的だとは思うが、なにせ収益が難しいシステムだから、維持のためにはユーザも寄付等で支える必要がある。うっかりevilなオーナーに買われてしまったら、それこそTwitter問題の再来だってあり得る。

 となると、やっぱり自前でサーバをもちたい。
 でも、Mastodonなどのソフトウェアを自分でサーバにインストールして管理するのはか~な~り、大変だ[4]Mastodon v2.4.0にするためにやったこと – 科学と生活のイーハトーヴ
 日々気楽にブログを書く感覚で、なんとなくFediverseとつながりたい。
 ……と思っていたので、このブログ(Wordpressソフトウェアを使ってます)のActivityPub対応をがんばっていたわけなのだった。
 (お使いのFediverseサーバから、@pollyanna@diary.ihatovo.comを検索してもらえればフォローできます)

 ここまでやる物好きがどれほどいるかは疑問なので、たとえば多くのユーザに信頼されている既存のブログサービス(はてなさんとかAmebaさんとかnoteさんとか)がActivityPub対応してくれたら、Fediverseももっと豊かになるかもしれない。
 実際、古くからあるマイクロブログサービスのTumblrが既にActivityPub対応の方針を宣言しているので[5]Tumblr、マストドンと接続へ。分散型SNS標準プロトコルを採用し、Twitterからの脱出受け入れ強化(CloseBox) | テクノエッジ TechnoEdge、この流れが加速してくれて、うまいこと収益につながってくれたらいいなと期待している。

(しばらく)さよならTwitter

Twitterのオーナーが暴れている。

ツイッター、CNNやNYタイムズ記者のアカウント凍結 対抗SNSマストドンも

マスク氏、TwitterからMastodon排除か URL投稿禁止、リンクに有害判定、公式アカ凍結

どれどれと試してみたら、確かにマストドンへのリンクは投稿できなかった。

プロフィールにマストドンへのリンクを張ったら一発凍結みたいな噂も流れていたけど、たぶんそれは(今は)ない。
ただ、プロフィールにマストドンへのリンクを張ろうとしたら、「マルウェアの可能性があります」という警告が出て更新できない仕組みになっている様子。こうなる以前にプロフィールに含まれていたマストドンへのリンクは、今のところ無事。でも、これを残しといたらいつか凍結されるかもね。

こんな状況のTwitterで、言論の自由が保証されていると安心することなどとてもできない。
子供じみた暴君のふるまいをおもしろがるのは勝手だけど、それに踏みにじられる人たちが続出してる場所で、わたしは楽しくツイートできる気がしない。
この体制がどうにかなるまで、もうTwitterではつぶやかないことにした。

幸い、マストドンでわたしがフォローしている人たちはとても活発に活動しているし、Fediverseの動向はTwitterよりよほど詳しく知ることができる。
しばらくはここでおしゃべりするつもりです。よろしく!(フォロワー限定トゥートもしているよ)

https://mstdn.jp/web/@pollyanna

Fediverse

 Tumblrが分散型SNS標準プロトコルのActivityPubの採用を発表して、おおっとなっている。

Tumblr、マストドンと接続へ。分散型SNS標準プロトコルを採用し、Twitterからの脱出受け入れ強化(CloseBox) | テクノエッジ TechnoEdge

 ついこないだこんなことを書いたばかりだけど

理想を言えば、ネットで何かを発信しつつ誰かとつながっていたい人が、プラットフォームの盛衰に左右されずに、そのアイデンティティに紐付いた発言ログとつながりの蓄積を保てるとよい。ひとりひとりが個別のインスタンスを維持管理しつつ、他人のインスタンスをフォローし、フォローされ続けることができる感じで。
 マストドンは自鯖管理の手間がかかりすぎるので、もう少し、たとえばせめてWordPressと同じくらいの気軽さでおひとりさまインスタンスを持てるといい。

もう二度と友達を見失いたくないわたしたちのためのfediverse

 意外とその未来も遠くはないんじゃないか。

 Twitterのような中央集権型SNSのいいところ(のひとつ)は、自分は黙って口を開けて待っていれば、情報も怒りも喜びも小ネタもすべて流れ込んできて、何か言いたければ流れ込んできたものをそのまま複製するか、ちょっとそれをいじれば済むことだ。それを好む人が多いだろうとは想像できる。
 自分の中にあるまだ形になっていない思いを、程度はどうあれ、何かしら他人に伝わるような形にするにはちょっとしたハードルがある。そのハードルを最初に越えて発信した人のところに、特にハードルは越えたくなかった/越える力がなかったけど、乗っかるものさえあれば何か言いたかった人たちが集まるのは当然で、その結果、物言う力のなかった人たちの思いが可視化されて大きな社会的ムーブメントすら巻き起こる。
 その意味で、Twitterはこれまですさまじく大きな社会的な役割を果たしてきた。これからも、一定の役割は果たすだろう。

 ただ、いつも乗っかられる側になる人たちはどうだろうか。

 「そうそう、それが言いたかった。よく言ってくれた、ありがとう」と言ってくれる人がいるのは嬉しいが、そういう人たちは、もてはやした相手が少しでも自分の理想と外れたことを言い出すと見放すし、なんなら憎み始めたりする。
 嫉妬している相手の発信をちらちらウォッチして、それを自分が考えたことみたいに披露したりする人や、その相手を否定することを自分の行動の原動力にしたりする人もいる。
 相手が何か言ってくれて初めて自分が言いたかったことを思い出して、それを相手に対して切々とリプライで送りつけてくる人もいる。
乗っかる人は、相手のモチベーションや努力を盗んで心地よさを得られる反面、乗っかられ続ける側は、わりと精神を削られる。
 それに耐えられるキャパシティ(モチベーションや体力や承認欲求)を持っている人たちだけが、インフルエンサーとして残り得るのだろう。
 よかれあしかれ、超弩級の(尖った/自信満々の/自信がなさすぎる/馬耳東風を貫ける)インフルエンサーはこれからもTwitterに残ると思うが、そこまではいかないけどそれなりの影響力を持っていた多くの発信者は、もうわりといいかげん疲れてきている頃合いではないか。

 そういった発信者にとって、少しつながりや注目の密度を下げつつ、言いたいことを言える場所はとても安心できるんじゃないかと思うし、そういう場所が分散型SNSになっていくとしたら、これからのTwitterのプレゼンスも変わっていくかもしれない。

#TwitterExodus #RIPTwitter

いよいよ20日にはFIFAワールドカップカタール大会が始まり(日本時間だと今日の夜11時かな)、投稿数の増加が予想される。正社員が激減したと伝えられるTwitterが、あとどの程度もちこたえられるか不安視される中、相変わらずイーロン旋風が吹き荒れている。

トランプ元大統領のアカウントを復活させたいかどうかについて、マスク氏がアンケートをとり、「Yes」が過半数を占めたことを受けて、アカウント復活の方針を発表した。あれだけ差別とヘイトと暴力を煽った元大統領のアカウントの復活だ。
どんな企業がどれくらい広告停止の判断をすることになるか気になる。

会社の運営もサイト運用の技術的な問題もすべてどうにかクリアされるとして、生き延びたTwittersphereにそれでもいたいかという問題がある。
海外のニュースや議論の動向を知るには、今でもTwitterに頼らざるを得ない。Twitterだけでしかつながりのない友人も多い。まいったね。BlueSky早く来ないかな。

もう二度と友達を見失いたくないわたしたちのためのfediverse

 がほしいなあ。

 イーロン・マスク体制のTwitterでいろんなことが起きていて、今日は「Twitterサ終」がトレンドに上がる始末。
「Twitter終了」日米で突如トレンド入り、なぜ?

 さすがにいきなりサービス終了になるとは思えないが、クルーグマンもマストドンにアカウント作ったとか言い出したりして、全世界的にてんやわんや。

 マストドンだって、自分でインスタンス建てない限りは、誰かが運営しているインスタンスにアカウント作るしかないし、その運営者がイーロンより信頼に足るかどうかは(思想面はともかく経営的に)まったくの未知数なのだが。

 理想を言えば、ネットで何かを発信しつつ誰かとつながっていたい人が、プラットフォームの盛衰に左右されずに、そのアイデンティティに紐付いた発言ログとつながりの蓄積を保てるとよい。ひとりひとりが個別のインスタンスを維持管理しつつ、他人のインスタンスをフォローし、フォローされ続けることができる感じで。
 マストドンは自鯖管理の手間がかかりすぎるので、もう少し、たとえばせめてWordPressと同じくらいの気軽さでおひとりさまインスタンスを持てるといい。

 ……みたいに考えていくと、昔々のブログ/トラックバック文化って、わりと理想的なfediverseだったんじゃないかとすら思えてくる。

 みんな、自分のホームになるブログを作ってくれたらいいのに。

Twitter大騒ぎ

 イーロン・マスクがTwitterを買って以来、大騒ぎになっている。

イーロン・マスクがTwitter買ってからやったことまとめ
大手企業がツイッター広告から撤退、ヘイトスピーチも急増
イーロン・マスクのTwitterは、LGBTQにとって安心できない場所になりつつある
Twitter社員「時代のおしまい」 解雇開始、日本でも

 マスクは、彼にとっての理想の言論が繰り広げられる「公共の街の広場」(public town square)を作りたいみたいだが、差別的、暴力的な言論が野放しになる広場は果たして維持可能だろうか。


(「世界一の金持ちがこのソーシャルメディア街の広場を買い、企業が別の場所で金を使おうと決断することくらい、アメリカらしいことはあるだろうか?」)

 とはいえ、もうずっと以前から、Twitterは、わたしにとってさほど居心地のいい場所ではなかった。かつてのTwitter本社は、それでもトランプのアカウントを凍結することができたけど、Twitter Japanは、よりひどい差別主義・歴史修正主義・非科学的アカウントを野放しにしているどころか、ときに優遇さえしている[1]Twitter「聞いていた運用と違う」 日本青年会議所の問題リツイートに苦言、「メディアリテラシー」めぐり炎上。その傾向が全世界的に加速するかもしれないと思うと暗澹とする。

 Twitter以外の場所を探そう的ムーブメントは、過去にも何回か起こったと記憶しているが、それでも多くの人がTwitterに残ったことを考えると、今回もまた、いっときの騒ぎが過ぎれば、またなにごともなかったかのようにTwitterの日常が戻ってくるかもしれない。
 Mastodonがまたユーザを増やしているようだが、あれは、興味や関心を持てる人を探し、つながる機能が決定的に弱い。分散型SNSは、自分でインスタンス(サーバ)を立ててこそおもしろくなるのだが、Mastodonのインスタンスは維持管理のコストが高すぎる。Mastodonがいいなと思った人であれば、とうにDiscordなどを使っているだろう。MastodonがTwitterに代わる大きな勢力になるような気はあまりしない。
 たとえばTwitter創業者のジャック・ドーシーたちが作っている新しい分散型SNSのBluesky[2]Bluesky Social[3]Twitter創業者の立ち上げた分散型SNSプロトコル開発団体が新SNS「Bluesky」を発表のような新しいSNSが、どれくらいおもしろいものになってくれるか、そこに有力なインフルエンサーがどれくらい参画していくことになるのかに、今後、Twitterが生き残れるかどうかがかかっていきそうだ。

 日本に限って言えば、テレビ番組の実況や、ニュースなどをネタにした大喜利ができて、ふんわり楽しいコミュニケーションがとれればそれでよい、と思っている人も多そうだから、なおさらマスク体制のTwitterに逆風が吹く理由がない。
 Twitter Japanが差別主義・歴史修正主義・非科学的アカウントを許容し続けてきたことで、権威があって(フォロワーが多くて)声の大きい者であれば、たとえその主張がどれほど理不尽なものであっても、この「広場」の秩序を保つ善い存在と評価され、理不尽に対して反対の声を上げる人は、和を乱すめんどくさい存在として疎まれ、叩かれ、排斥されやすくなってもいる。疎み、叩き、排斥するのが、普通に顔を合わせれば気のいいお隣さんたちである、というのがポイントだ。
 太平洋戦争時の、今から思えば信じられないような全体主義の覇権も、こういった小さな仲間はずれの積み重ねが支えていた部分が大きかったのではないか。
 実際、以前、比較的親しかったアカウントの中にも、ずいぶんと過激な差別主義や権威主義の、仲間内では声の大きなアカウントに阿るようになってしまった人たちが何人かいる。
 そういった意味で、この「ソーシャルメディア街の広場」もまた、現実の社会と地続きなものではあるのだが、そこに四六時中居続けることは、わたしには耐えられない。

 だからこそ、わたし自身は、もうずっと前から、Twitterだけをネット上の居場所にするのはかなわないなと思っていて、ブログやDiscordなどの居場所を作ってきてはいるけれど、はたしてどれだけのTwitter上の友人たちが同じような選択をしてくれるだろうか。

「国葬儀」当日

中継を見た。すっかり窶れてしまった昭恵さんが気の毒で胸が痛んだ。

故人を顕彰する映像の内容には言いたいことも多々あるが、ずっとBGMとして流れていた「花は咲く」の故人によるピアノ演奏は、どことなくたどたどしくも、迷いなく澄んでまっすぐ響くとてもいい音だったところに、育ちのよさがうかがわれた。

一般市民による献花の列が今もなお長く続いているそうで、故人を慕う多くの人たちが気持ちを向ける場ができたことはよかったと思う。
一方で、その列の長さを「サイレントマジョリティ」の数だとして、国葬に反対してきた人たちを揶揄し勝ち誇るような、とてもサイレントとはいえない声がTwitterには溢れていて、また新たな対立が生まれてもいる。国の名を冠した「国葬儀」という政治性の高い形にしたことと、そうするにあたって国会における手続が軽んじられたことで、対立が苛烈さを増したことは疑いようがない。故人を悼む人たちが気持ちを向ける場を、もっと静謐で平穏なものにできていたらよかった。