携帯メールに届く迷惑メールをウォッチするのが好きなのだが、これまででおもしろかったやつをまとめておく。
「智久」から「廉」へ
“智久だけど、このアドレスって廉ので合ってるよな?マネージャーから借りてる携帯は規制がかかっていて、LINEとかのアプリをダウンロードできないから、直接携帯アドレスを入れてメールするしかないんだよ(汗)とにかく早く返事してくれよな!”
“智久だけど、もしかしたら本当に廉じゃないのかな?ごめんなさい(汗)俺の病気やあの件で相談したかったんだけど、関係ない人にメールを送ってたたんて恥ずかしい…忘れてください。”
感想:マネージャーの携帯にはもともとLINEとかのアプリが入っていなかったのかな。仕事で使わないんだろうか。「(汗)」とか使う設定なんだ。
“智久です。間違ってメールしたのに何回もすいません。もしかしたら俺のこと誰なのかわかっちゃったかなと思って…もしよかったら少し話しませんか?せっかくこうして出会えたわけだし♪返事待ってますね。”
“智久です。J事務所を辞めて新しい挑戦をしていく中で、芸能とは関係ない一般の友達がほしいなって思ってた所だったんですよね…よかったら俺と友達になってもらえませんか?よろしくお願いします!”
感想:どんな相手かもわからない人と友達になろうとするなんて、「智久」は勇気があるなあ。文末に区点を忘れないあたりは律儀だと思った。
なお、最初の2通と後の2通のメアドは、いずれもユーザー名が「califragilistic2」で同じだが、ドメインが違っていた。マネージャーと本人が同じユーザー名を使っているのだろうか。仲良しだな。
「羽生」から「中居さん」へ
“中居さんご無沙汰してます。羽生です。ソチオリンピックの頃からお世話になってるので、今後について中居さんに相談したい事があってメールさせてもらいました。あ、コーチに呼ばれたので一旦戻りますが、どうしてメールなのかも含めて一時間後にもう1通続けて送るから待っててください!”
感想:メアドのユーザー名が「sekaityanpion」で笑ってしまった。World Championじゃないんだ。続きの予告があるのすごい。
“2通目です。実は携帯機種変したんですが、移行に失敗して全部の連絡先が消えちゃったんですよね(汗)それで中居さんのアドレスをうっすら覚えてたから、一か八か手打ちでメールさせてもらいました。中居さんで合ってますよね? 羽生”
感想:ほんとに一時間後に続きが来た。一通目とユーザー名は同じ「sekaityanpion」だが、違うドメインからのメール。「(汗)」の使い方が「智久」と似ている。
“羽生です。返事ないですがもしかして中居さんのアドレスじゃなかったですか?合ってると思ったんですが…まぁでも忙しくて返事できないだけかもしれないし、もう少し待ってみますね。もし間違ってたら申し訳ないですが違うとお返事ください(>_
感想:思考過程を言語化してくれるタイプの「羽生」だが、残念ながらお返事はできない。ところでまた違うドメインからのメールなんだが、「sekaityanpion」はどういう携帯を使っているの。
“羽生です。これだけ返事がないって事は、俺が今メールしてるのは中居さんじゃなかったって事ですか?もしそうだったらほんと申し訳なさすぎるな…本当に違うならちゃんと謝りたいし、謝るにも返事がないとできないから…とにかく1通違うなら違うとお返事いただけませんか?”
感想:返事がなくても謝れるのではと思った。
“羽生です。これは自分の携帯だし、中居さんだったらちゃんともう一度連絡先を聞いて真面目に相談したかったんですが…こんなに返事がないって事はやっぱりあなたは中居さんじゃなかったって事ですよね?ごめんなさい。でも…確信したいからせめて返事だけでも頂けませんか?”
感想:返事がなくても謝れるじゃん! これで「sekaityanpion」からのメールは打ち切りとなった。
「すず」から「環奈ちゃん」へ
“環奈ちゃん、お疲れ様!すずだよ。途中連絡が途切れちゃってごめん。携帯がいきなり壊れちゃって、マネージャーから借りてLINEじゃなくて、メールアドレスの方に連絡をさせて貰ったよ♪次の作品の件で相談の続きに乗って貰ってもいい?”
感想:ユーザー名「suzu_arisu_sisters」からのメール第一弾。マネージャーから借りた携帯で、LINEじゃなくてメールアドレスに連絡するあたりは「智久」を思い出させる。「Alice」じゃなくて「arisu」ってところは、「sekaityanpion」と気が合いそう。
“あれ?環奈ちゃんだよね?共演したネメシスの撮影中に聞いたメールアドレス変更してないでしょ?普段はお互いにLINEを使ってるから、こうやってメールアドレスを直接入力することなんてないから苦戦しちゃったよ!撮影とかで忙しかったらごめん!でもどうしても相談したいことがあるから、5分でもいいから時間貰えない?”
感想:設定の説明が具体的かつ詳細だ。
“広瀬です!まさか…環奈ちゃんじゃない人にメールしちゃいましたか?さっきまでLINEでやり取りしてた時は直ぐに返事貰えてたのに、急に返事貰えなくなったってことは…間違えてメールしたってことなのかなって(汗)もしそうなら本当にすみません!ご迷惑を掛けてしまって(汗)”
感想:「(汗)」きた~~~! 「智久」や「羽生」とおんなじ「(汗)」だ! もしかして同一人物なのでは。あと、「広瀬です!」って言っちゃってる。「すずだよ!」じゃなかったのかい。
“さっき間違いメールをした者です!何?また?って思われちゃいますよね?でもそれを覚悟でまたメールさせて貰っています!ストレートに言わせてください。もしあなたさえ良ければお話したいなって思っています♪こんな出会いって普通ないから余計に話したいなって思ったんです!返事貰えると嬉しいです!”
感想:出会いの形に不用心なのは「智久」の設定で見たから、新しい展開がこなくてちょっとがっかりした。
“先に自分が名乗るべきでしたね!すみません。すずと言います♪現在女優をしていて映画やドラマにも多数出演させて頂いてます。芸能界にいると一般の方と知り合う機会がなくて、色々話せる相手欲しいなって思ってたんです…もし迷惑でなければ私と仲良くしてもらえませんか?これで最後の連絡にしますから。いい返事お待ちしてます。”
感想:もうずっと名乗ってくれたよ! 大丈夫! とはもちろん返事はしなかったが、宣言どおり、これで「suzu_arisu_sisters」からのメールは最後となった。
以後、芸能人を装った発信者からの迷惑メールは来ていない。
文体から察するに、「智久」「羽生」「すず」は同一人物のように思われてしかたがないのだが、この作者は迷惑メール創作業界から足を洗ってしまったのだろうか。それとも、わたしが読者として見限られて、ほかの誰かのところには新作が今も送られ続けているのだろうか。
もしまだご活躍中なら、またわたしにも新作を送ってほしいのだが。
と思っていたら、ここ数日、こんなメールを受け取っている。
“DM送ったんですけど、届きましたか?”
“再度確認したら送信出来てないみたいです。一度こっちに連絡貰えませんか?”
“連絡来ないままですけど…今日中に決めておきたい事もあるので至急お願いします。”
「貰う」「事」といった漢字や「…」の使い方、文末の句点がどこか懐かしい。
もしこのメールの送信者が「智久」か「羽生」か「すず」の人なら、明日のメールでは何かおもしろい展開を見せてくれるといいな。明日11時のメールを楽しみにしている(毎日11時台にメールをくれているので)。