2024年7月

  • X(旧Twitter)アカウント削除したので、過去のツイートログをWordPressに移した話

     もう2年以上ほとんど投稿していなかったXですが、先日アカウントを削除しました。
     イーロン・マスクが、ハリス副大統領のディープフェイクパロディ動画を注釈もなしに投稿して拡散させた[1]イーロン・マスク氏、ハリス副大統領のディープフェイクパロディ動画をXにポストのが、最後の藁になりました。
     これは言論空間に対する明確な害悪だし、こんなオーナーが牛耳っていて、その積極的/消極的支持者しかいないサーバに自分のアカウントを存在させること自体がもうイヤ。

     自分の投稿のアーカイブは取ってあったので、なんとか別途公開したいな[2]Xの「ユーザーは、ポストまたは共有する自身のコンテンツに対する所有権と権利を留保する」。X利用規約とあれこれ試した結果、とりあえず文字コンテンツはWordPressに移すことができたので、以下、その作業記録です。

     やったことは:
    ・新しいWordPressサイトを立ち上げる(https://www.snslog.ihatovo.com/);および
    Ultimate CSV Importerプラグイン(無料版)で、投稿アーカイブのCSVファイルをWordPressにインポートする

     だけなのですが、うまく機能するプラグインを見つけることと、投稿日時をプラグインに認識させることに少し手間取りました。

     WP All ImportやWP Import Export Liteあたりのメジャーなプラグインは、CSVファイルに記録された投稿日時をうまくpost_dateに設定することができませんでした(XMLファイルでもダメ)。何かしらやり方があるのかもしれませんが、それを探すのに時間がかかりそうなので、これらのプラグインを使うのは諦めることに。

     Ultimate CSV Importerプラグインの場合、CSVファイルに記録された投稿日時を簡単にpost_dateに指定することができます。
     ただし、注意点がいくつか。

    (1)アップロードできるインポート元ファイルのサイズが5MBまで。
    (2)CSVファイルの文字コードはUTF-8にしておく必要がある。
    (3)CSVファイルには投稿日時が「221218 002457」のように、1つのセルに12桁で記録されている場合があるので、これを日時としてWordPressに認識される形で表示してやる必要がある。(アーカイブを作成した時点によって違うかも)

    (1)アップロードできるインポート元ファイルのサイズ
     ツイ廃さんは、適当に自分でファイルを分割して、各5MB以下にしましょう。

    (2)CSVファイルの文字コード
     エクセルで開いて名前をつけて保存→「その他のオプション」で「CSV UTF-8(コンマ区切り)」で保存するだけ。

    (3)投稿日時の処理
     以下のようなやり方で、投稿日時を表示しました。もっといかした冴えたやり方がきっとあるのだろう。

    1. 12桁の投稿日時が記録された列について、区切り位置(データタブ→区切り位置)で、日付と時刻に分割する
    2. 分割した日付部分は、列のデータ形式を「日付」に、時刻部分は「標準」に指定する
    3. 時刻部分のシリアル値が記録された列の隣に列を挿入して、TIMEVALUE関数で「00:00:00」の表示形式に時刻を変換する
    4. 変換した時刻の列の隣に列を挿入して、「=日付セル+変換時刻セル」で1つの日時とし、表示形式を「yyyy/m/d h:mm」にする。これで、もともと「221218 002457」だったものが「2022/12/18 00:24:57」になる。

     あとは、インポートしたいデータが記録されている列の一番上のセルに、適当に「timestamp」「text」などのタイトルを書いておけば、インポートの際、そのタイトルを指定してデータをインポートすることができます。

     実はX(Twitter)のアカウントを消すのは二回目なので、前に消したときに取ってあったログも、今回ついでにWordPressに取り込みました。
     バルクで取り込んだため、自分の投稿だけでなく、ひとさまの投稿をRTしたものも含まれてしまっていましたが、これらについてはまとめて(「RT @」が含まれているものをすべて)削除中です。最初にフィルターかけて取り込めばよかった。

     せっかくSNSログサイトを作ったので、また使わなくなったSNSなどが出てきたら、ここにログを移そうかなと思います。

    References
    1イーロン・マスク氏、ハリス副大統領のディープフェイクパロディ動画をXにポスト
    2Xの「ユーザーは、ポストまたは共有する自身のコンテンツに対する所有権と権利を留保する」。X利用規約
  • 頼まれてもいないのにがんばること

    ここ数週間のNHK朝ドラ『虎に翼』は、主人公・寅子にとって試練続きだった。

    恩師である穂高先生との正面衝突と和解、恩師の死を乗り越え、仕事に邁進するも、後輩の女性修習生たちからは煙たがられ、離婚調停を担当した不倫妻からはカミソリを向けられる。そして、新潟への異動話をきっかけに、家族とも正面衝突を迫られる事態に。

    寅子に向けられた厳しい言葉は数々あるが、聞いていてわたしが一番つらかったのは、猪爪・佐田家を共に支える義姉にして親友である花江ちゃんの「そこまでがんばってなんて頼んでない」だった。
    寅子は女性法曹のパイオニアだが、誰も彼女にそうなれとは頼んでいないのである。誰にも頼まれないことをがんばり続けることの苦しさと意義に、ここまで正面から向き合ったドラマがあっただろうか。

    少し振り返ってみる。
    寅子が法曹を志したとき、母親のはるさんは、地獄を見る覚悟はあるかと問いただしていた。はるさんが言っていた「地獄」がどのようなものか、歩み始めたばかりの少女だった寅子に十分想像できていたはずもない。
    寅子の家庭は裕福で、偏見もないから、学び続けること自体は「地獄」というほどではなかったはずだ。しかし、同窓の女性たちのさまざまな立場に触れるにつれ、寅子は少しずつ、自ら背負ったものの重さと意義に気づいていった。
    だからこそ、妊娠を機に、敬愛する穂高先生の言葉に心を折られて歩みを止め、涕泣するしかなかったときの寅子の悔しさと不甲斐なさはどれほどのものだっただろうと思う。よねさんに責められるまでもなく、寅子自身が自分をいちばん責めていたはずだ。

    敗戦、そして夫と父の死を経て、寅子は再び法曹の道に戻り、男性家長のいない家を懸命に支えている。何も法曹でなくてもよかったという意味では誰も「頼んでない」が、身につけた専門性を生かす意味でも、寅子が自分を取り戻すという意味でも、そして家族の中で誰がそれをできるかという意味でも、「これ以外ない」選択だっただろう。
    実際に寅子はきちんと職責を果たし(その果たしている描写をもっと厚くしてほしかったと職業人としては思うが)、家裁メンバーに愛され、寅子に対して厳しかった桂場に「腹立たしいが君は有能だ!そして俺達に…好かれてしまっている!」と言わせるようにすらなった。
    しかしその一方で、娘の優未ちゃんをはじめとした家族や、後進の女性たちにも「スンっ」を強いてしまうようにもなってしまった。その相克が爆発したのがこの数週間の『虎に翼』だった。

    これほどつらいジレンマがあろうか。
    ある。
    寅子とは時代も立場も違っても、このつらさは今、自分が自分を保ちながら、家族と社会の最善を望んで生き、働き続ける道を模索するすべての人たちがもっているものだと思う。

    わたしたちが生きる世界を変えてきたのはいつも、「頼まれてもいないのにがんばってきた」人たちだ。その孤独を理解し、そこに光を見いだすことができるのは、同じように望まれない道に踏み出し、傷つけ、傷つきながら歩みを止めないわたしたちだ。
    それがわたしたちであると言えるように、そして傷つける人をもっとなくせる生き方を生み出せるように、わたしは生きていきたいと思った。

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