SARS-CoV-2 IgG抗体定量検査受けてみた

 近所の総合病院で、新型コロナウイルスに対するIgG抗体(スパイクタンパク質受容体結合ドメインに対する抗体)の定量検査をやっているというので、まったくの興味本位で受けてみた。
 受けたのはファイザー2回目を接種した8月13日からだいたい4週間後の9月8日。測定法は、シーメンス(Siemens)社の試薬を用いたものとのこと。

 事前にも何度も説明されたとおり、結果は数値だけをポンと知らせてくれるもので、解釈も診断も証明もしませんよ、という毅然とした姿勢がうかがえる。良心的な病院でよかった。

 とはいえ、自分の抗体価が相対的にどんなもんかということくらいは知りたいので、ちょっと調べてみた。以下は、生物学の博士号は持っているものの、医師でもなんでもないわたしのまったく個人的なメモなので、くれぐれも何かの参考にしようとはしないでください。

 いろんな会社がSARS-CoV-2 IgG抗体の定量検査試薬を出していて、抗体量の測定値についてはそれぞれ独自の単位を使って出している。
 わりとよく見るアボット(Abbott)社であれば、単位はAU/mL(arbitrary units(任意単位)/mL)、2回接種後7日の測定値は、男女でも異なるが平均だいたい1〜2万AU/mL程度とのこと[1]Antibody testing for SARS-CoV-2 infection, quantitative determination, response to vaccines and viral variability、アボット社
 わたしが受けたシーメンス社であれば、測定値の単位はIndex[2]SARS-CoV-2 IgG(研究用試薬) – Siemens Healthineers。測定範囲は0.50 – 150.00 Index。

 こんな感じで、各社、出てくる測定値がバラバラなので、最近、WHOが国際標準単位(Binding Antibody Units, BAU/mL)を作った[3]First WHO International Standard for anti-SARS-CoV-2 immunoglobulin (human)。各社の測定値にそれぞれ決まった換算係数をかけてやると、このBAUに換算できる。
 アボット社であれば、AU/mL × 0.142 = BAU/mL
 シーメンス社であれば、Index × 21.8 = BAU/mL
 ロシュ社であれば、U/mL × 1.029 = BAU/mL
 といった具合。

 で、いよいよわたしの抗体量測定値であるが、60.17 Index という結果だった。すなわち1312 BAU/mL。
 上記アボット社の結果(49人を対象とした研究、平均年齢53歳(s.d.:12))では、ファイザー2回接種7日後の平均は2554 BAU/mL(17987 AU/mL(s.d.:11166))。ギリシャの医療従事者1643人(40歳〜56歳。年齢の中央値は49歳)を対象とした研究[4]Impact of Age and Sex on Antibody Response Following the Second Dose of COVID-19 BNT162b2 mRNA Vaccine in Greek Healthcare Workers, Microorganisms 2021, 9(8), 1725によれば、ファイザー2回接種20〜30日後の中央値が1483 BAU/mL(793.6~2431)とのことなので、まあ、おおむね年齢相応に平均的な量の抗体ができていると思っていいのではないだろうか。

 であれば、むこう半年くらいは安心していてよさそうだし、その後、IgG抗体が減ったとしても、免疫記憶もがんばってくれるだろう。
 ブースター接種は、機会があって順番が回ってくれば受けるけれど、焦る必要はないな、と思った。