• 「中野正彦」問題

     年末年始に読みかけていた『中野正彦の昭和九十二年』(樋口毅宏)、ようやく読み終えた。
     読むのに正味かけた時間はそれほど長くはなかったと思うのだけど、読むのがつらくて細切れになってしまった。
     何か不快なものを目にしたときの常套句で「吐き気がする」というのがあるが、これは読みながらリアルに悪心をおぼえることが多かった。終板の「平成関東大震災」あたりは特に。

     もちろん、この作品が主人公の中野正彦の思想や言動を肯定的に描いているとは受け取れないし、ましてや「ネトウヨ」礼賛ではありえない。
     ただあまりに今のインターネットユーザの思考過程の描写がリアルすぎるので、中野正彦というキャラクターは、自分を中道と認識している多くの「普通の日本人」たちの共感をけっこう集めるのではないかと思った。したり顔の「バランス感覚」で共感を表明しそうな具体的な知り合いの名前もいくつか浮かんだくらいだ。
     何がリアルかというと、中野正彦はときどき正しいことも言うのである。解決すべき問題を見抜く目や嗅覚も確かだ。だが、その解釈や結果として起こす行動が決定的におかしい。
     同じ事実を見ているのに、どうしてここまで違う結論に至るのかと、もどかしく首をひねることは実際よく起こるが、その現象が実に精緻に再現されている。この作品でいちばん感心したのはこの点だ。
     
     中野正彦のパーソナリティの特徴として、自分が根本的に痛みやつらさを感じそうなことからは頑なに目を逸らすというものがある。それ以外の痛みやつらさは表明されるが、すぐに怒りに置き換えられる。彼の中に、そこを揺すぶったら彼全体が崩壊してしまいそうな巨大な情動の塊がありそうに見える。劣等感かもしれないし、純粋な高い理想かもしれないし、虐げられた悲しみかもしれないし、底知れないさびしさや満たされなさかもしれないし、ほかの何かを含めたそれらすべてかもしれない。その情動の塊を、自分にも他人にも触らせないように、怒りという繭でくるんだ身体で中野正彦はできている。
     繭の中身がおびやかされそうな事実は注意深く(無意識だとは思うが)排除して思考しているように見える。思想の左右を問わず、人間には普遍的なクセかもしれないとはいえ、その傾向がこれでもかというくらい顕著に描かれているのが中野正彦というキャラクターだ。

     読んでいてまったく心地よくはないし、誰かに積極的に読めと勧める気にもならないが、示唆されるところは多かった。
     本書が回収に至った経緯は複雑そうだが、表現手法のみを問題として市場に出してはならない本だとは思わない。しかし、もし回収されずに話題となり、多くの人が読むようになっていたら、今の日本のネット言論空間の傾向を見る限り、さらなる怒りや対立、それによって傷つく人たちを生んだだろう。そうなっていたら、出版社はどこまで対応できただろうか。
     
    『中野正彦の昭和九十二年』回収について|イースト・プレス

  • 昨日は風が強かった

     朝5時過ぎから、外のあちこちでガタガタ台風みたいな音がしてるなと思っていたら、一日中強風だった。

     ここのところ重いケースが続いて、連日1件1万字くらいの意見書を書いている。気分転換にググったら、卒論の相場は1万字らしい。分野にもよるだろうが、そんなものだったっけ。

     先日の三連休最終日に、ちょっと用事で池袋に行ったら、いけふくろうがあったかそうな格好をしていた。

     100均のそばを通ったら、マネキンが平然と段ボール箱の中に佇んでてびっくり。裏世界ピクニックでありそう。

     池袋は大変な人出で、新型コロナ感染状況と医療の逼迫[1]感染状況「第7波超えの可能性」 東京都医師会、医療逼迫に危機感:時事ドットコムを考えるとなかなか怖い。全国旅行支援も再開したようだし[2]全国旅行支援、当面は継続 コロナ拡大も経済重視 – 東京新聞、政府はもう感染拡大を抑える気はなさそう。

  • 『The Unkept Woman』(Allison Montclair)

     大人になってから友達を作るのは難しい、とはよく聞くが、大人の世界もわりと「友達」にあふれている。ママ友/パパ友/趣味友しかり、facebookしかり(それにしても「友達」「親しい友達」「知り合い」分類の身も蓋もなさよ)。
     定義にこだわらず、なにかしらの形式を満たす「友達」を作るだけなら、大人になってもそれほど難しくなさそうだ。でも、その関係をどう維持するか(しないか)、深めるか(深めないか)は、子供時代と同じくやっぱり難しい。

     『The Unkept Woman』(Allison Montclair)は、グウェン(貴族の未亡人)とアイリス(元?スパイ)のデコボコ美女コンビが繰り広げるミステリシリーズ第4作。邦訳が出ているのは第3作『疑惑の入会者』までだけど、待ちきれなくて読んだ。

     第二次世界大戦直後の荒れ果てたロンドンで、ひょんなことから意気投合し、結婚相談所の共同経営を始めたグウェンとアイリス。いまや読者には無二の親友としか見えない二人の間にも、本作ではついに気持ちの行き違いが起こる。
     迷いながらも手を伸ばすグウェンのひたむきさと、迷いとは無縁のようでいてすべての決断が危うさを秘めているアイリスの脆さと、どちらも美しくて目が離せない。
     本作で「friend(s)」という単語は45回出てきた。前作では6回だったから、やっぱり本作のテーマのひとつは「友達」なんじゃないだろうか。

     心の奥底を(たとえそこから注意深く選び抜いたことだけにせよ)打ち明け合うことができると、いかにも友情感は深まる。その関係をたとえば友達レベル1とすると、そこから互いに「今あなたが必要」と訴え、「わかった」と応じる関係に至るまでには、友達レベル50くらいのだいぶ大きな飛躍が必要だ。このへん、恋も友情もあまり変わりないかもしれない。
     グウェンとアイリスを取り巻く男性たちとの関係も、本作で大きく動いていく。アイリスについていえば、えっ、そっちはレベル1で、そっちがレベル50だったの、みたいな驚きがあった。

     タイトルは最後まで読むとなるほど感。邦訳はどうなるのかな。

  • デジタルデトックス正月

     仕事だらけの年末を乗り越えて、三が日は本ばっかり読んでいた(ごはんもつくったし洗濯などもした)。

     Twitterをほとんど見なくなって、つぶやきたいことはMastodonでぽつぽつ、という生活をしていると、心が無駄に波立せられなくてよい(さっきうっかり見て、どよんとなってしまった)。

     椎名誠『失踪願望。コロナふらふら格闘編』。

     椎名さん読んだの、ものすごく久しぶりだ。
     小学生のときに「地獄の味噌蔵」を叔父の一人にもらってハマり、高校生になるころにはあまり読まなくなっていたのではないか[1]母方の叔父たちは、親が積極的には勧めないだろう本や漫画をいっぱい教えてくれて大好きだった。今も大好き。。SF作品の方がいいなと思うようになった記憶はある。

     今の子はどうだろうと思ってうちの高校生に聞いたら、「『岳物語』は、小学生のころ、塾のテキストとかテストでこれでもかってくらい出てきた。重松(*重松清)並の登場回数だった」とのこと。そこからさらに別の本に手を伸ばそうとまではならなかったようでちょっと残念。うちの本棚にもいろいろあるのに。

     で、その久々の椎名さんのエッセイ(というか日記文学)なのだが、これがしみじみとよかった。
     よかった、と言っていいのか。
     コロナ感染記は、とにかくアルファ株(と思われる)の症状が激烈で、よくぞ生きて帰ってくださったと思う。やはり感染は、一時的にせよ脳への影響がかなり大きかったようで、症状が一段落した後の「通りゃんせ」のエピソードはわりと背筋が寒くなった。

     何より、渡辺一枝さん(奥様)が完璧に素敵すぎる。

     そもそも魅力的な人だとは思っていた。
     結婚してから保育士の資格をとって保育所を作り、お子さんたちがある程度大きくなったら、40を過ぎた女性ひとりで念願のチベットを馬で駆け巡った人。今も社会運動と文筆活動で現役だ。
     その夫があの椎名さんと来ている。70歳を過ぎてとても元気とはいえ、コロナ感染前から不眠で薬を常用し、酒も(時に嘔吐するほど)よく飲む夫。その彼と「食事しながら一時間から二時間いろんな話を」し、「今のぼくには大切な時間になっている」と言わしめる。
     おそらくご夫婦で思想的には重ならないところも多そうだと推察されるが、何か絶妙にうまく互いに距離をとりつつ、かけがえのないパートナーとして人生を歩んでいる様子がうかがえた。

     わたしにとって「いちえさん」の勝手なイメージは、智恵子にならなかった高村智恵子だ。
     夫と同じ夢を抱きながら、夫が先にどんどんひとりでその夢を叶えていく。にもかかわらず着実に日々の生活を積み重ね、積み重ねたものをすべて背負って引き連れて、ぽんと自分の夢に向かって踏みだし、そうすることで家族ごと次のさまざまな生き方の揺籃となっていく、というような。

     とてもとても憧れるけれども、はたしてわたしはそういうふうになれるのかなあ。
     
     気になってしかたなくて、古書で椎名さんの『そらをみてますないてます』を手に入れて読んだ。
     いや、おい、イスズミ、まじで。
     ああいうことがあっての、その、今? みたいなきもち。

     夫にとってのイスズミがいたとわかったあと、夫があんなふうに劇症コロナで倒れたら、わたしはどうするだろう。どうできるだろう。

    References
    1母方の叔父たちは、親が積極的には勧めないだろう本や漫画をいっぱい教えてくれて大好きだった。今も大好き。
  • マストドンおひとり様インスタンスつくった(5年ぶり2回目)

     以前にも作ってしばらく運用していたものの、メンテがあまりに大変で[1]マストドンのおひとりさまインスタンスを作ってみた

    Mastodon v2.4.0にするためにやったこと
    、閉じてしまったのだった。

     結城浩さんがHostdonさんに依頼してご自分のインスタンスを建てられたと知り、おおむね問題なく動作しているようだったので、じゃあわたしも! とまねっこしてHostdonさんで作ってみたという次第。

    https://pollyanna.social/@pollyanna
     (URLのpollyanna圧が強い)

     東京リージョンのサーバは受付を停止しているとのことで、シンガポールリージョンで作った。
     今のところ、何の問題もなく快適に動いている。

     mstdn.jpからのお引っ越しもスムーズに完了した。
     マストドンには、アカウント引っ越しの際にフォロワーを引き継ぐ機能がある。フォロワーに改めて新アカウントをフォローし直してもらわなくてもよくて、とても便利。フォローは自動では引き継げなくて、前のアカウントからフォローリストをエクスポートして、新アカウントでインポートする必要がある。とはいえ数クリックで済むので楽。
     マストドン引っ越しについては、Fedibird管理人ののえるさんが詳しく書いてくださっているので、そちらをご覧ください[2]のえる: “【Mastodonの引っ越し機能】 🔹自動でできること ▪️フォロワーを新アカウントに引き継ぐ…” – Fedibird

     Twitterはすっかり見なくなってしまったが、あいかわらずイーロン暴風が吹き荒れている様子。

     ・新型コロナに関するデマ情報の規制廃止[3]Twitter、新型コロナのデマ情報規制を撤廃
     ・自分に都合の悪いジャーナリストや言論人のban[4]アメリカのジャーナリストたちと一緒に、Twitterアカウントを凍結された件について、経緯を詳しく書いておく。
     ・他のSNSへのリンク禁止(後に撤回)[5] … Continue reading
     ・自殺に関するツイートや検索をした際に相談窓口へ誘導する機能の停止[6]ツイッター社、ユーザーと自殺防止など支援団体つなぐ機能を削除か:朝日新聞デジタル

     今のところ把握している主立った改悪だけでも、わたしにとってはTwitterを離れるには十分で、実際、マストドン始めFediverseに軸足を移し始めた人も、身の回りにだいぶ増えてきた。
     とはいえ、Twitterユーザの多くが、この騒動を茶化して傍観者を気取りはしても、真剣に心配したり怒ったりはせず、exodus先を探しもしないのを見ていると、友達(人脈)を人質に取った圧政の強力さにため息が出る。
     
     海外では政府機関やジャーナリストたちのFediverse移行の大きな動きが出てきている。これが広がっていくと「.social」ドメインの人気も高まってきそうだが、今のところ、けっこういろんなドメインがまだ空いている。「hatena.social」も空いているなあと思いつつ、それはさすがに株式会社はてなさんに申し訳ないので取らなかった。

  • 付記試験合格

    した。やったー。

    一回で合格できてよかった。村西先生と、自主ゼミメンバーの皆さんのおかげです。
    ありがとうございました。

  • なにがどう

    結局、昨日問題になったTwitterの新ポリシーは黙って削除され、イーロンが自分の進退についてユーザ投票を実施した挙げ句、CEO辞任すべきの票が6割近くを占めたとか、なにがなにやら。

    Twitter、他のSNSリンクの投稿禁止を撤回か? 新ポリシーに関するツイートとヘルプページが削除される

    イーロン・マスクのTwitterCEO退任投票は退任賛成が過半数に達したものの「投票はボットによるもの」「投票権はTwitter有料会員に限定すべき」という意見にイーロン・マスクが賛同

    カタールでイーロンがトランプの女婿と接触していたことから、次期CEOに彼をリクルートしてるんじゃないかとの憶測も。

    Will Elon Musk’s ultimatum cost him Twitter?

    一度Fediverseに軸足を置いてしまうと、一連の騒動はコップの中の嵐のように見える。
    その嵐が渦巻くコップの中にいる人たち自身が、騒ぎすぎだと言ったり、いつもの茶化しに逃げたり、抗議する人たちを、曖昧な規約を都合よく読みながら嘲笑したりしている光景をも含めて。

    レイシズムやセクシズムが許容され、反科学的な(歴史も医療も)言説が肯定的に拡散される場所に、わたしはもういたくないし、自分の言葉がその場所を潤すことに利用されるのも勘弁だ。

  • Twitterどこ行くの

    Twitter、Mastodon他のSNSへのリンクツイートをポリシー変更で禁止(SNSの有料広告ならOK)

    Promotion of Alternative Social Platforms Policy | Twitter Help

     今のところ、別のソーシャルプラットフォームのコンテンツを宣伝することを主目的として使用されているアカウントがサスペンド対象になっているようだけど、「主目的」(main purpose)がどう判断されるかわからない(たとえば、Fediverseサーバに移行するよというツイートを最後に更新を停止しているアカウントは?)。
     そもそも、「Twitter社は今後、Twitter上で特定のソーシャルメディアを無料で宣伝することを禁じる」と明言しているし、Facebook、Instagram、Mastodon、Truth Social、Tribel、Post、およびNostrへのリンクを張ったり、そのハンドルネームを示すのはポリシー違反、と明言されているので、抑制効果はばつぐんだ。自由な言論の場が聞いてあきれる。

     イーロン:誰かにとって理不尽なルール追加
    →ユーザ :ルールに従えばいいんでしょ。破ってbanされるのは自己責任
    →イーロン:もっと広範囲な誰かにとって理不尽なルール追加
    →ユーザ :ルールに従えば(以下略

    の繰り返しで、ルールを作る側に都合のいいユーザだけが残る仕組みのようで、なるほど示唆に富んでいる。

     最初に同意した規約になかったルールが追加される場合、ユーザは文句のひとつやふたつ言えるべきだし言うべきではと思うが、そういった声を上げる意欲にすら強烈な抑制がかかっているのが現状に見える。

     新しいルールに同意するかどうか聞かれていないため、わたしはTwitterのプロフィールからマストドンへのリンクを削除しないけど、それでbanしたかったらしてくれてかまわない。
     こうやって「これを口にしてはいけない」という恐怖でユーザを押さえつけようとする思想そのものが、わたしにとっては許しがたい。

  • Fediverse参入する? しない? 問題

     これまでずいぶん長いこと、Twitterとかfacebookみたいに大きな独立系(中央集権型)SNSがソーシャルネットワークの中心だったから、そこで築かれた人間関係は、誰にとってもかけがえのないものになっているだろう。わたしにとってもそうだ。失いたくない。

     でも、ある日、自分が所属しているコミュニティのボスが恐怖政治を敷き始めたらどうだろうか。
     そのボスの気に入らない運営スタッフは理不尽に解雇され、ボスにとって都合の悪い発言をしたコミュニティメンバーは問答無用で発言権を奪われる。申し訳程度にボスのフォロワーに対して多数決をとり、その結果次第で発言権の回復か永久停止が決まる。

     今回のTwitterにおけるイーロン・マスクのふるまいは、わたしにとっては耐えがたいものだった。

     ボスの機嫌を伺いながら、自分以外の誰かが迫害されている(これから迫害されるかもしれない)ことから目を逸らして、そのコミュニティに安住することを選択する?
     確かに、同じような選択をした友人たちとの関係は保たれるかもしれない。
     でも、何事もなかったかのように自分がそこに居続けることで、ボスのやり方を消極的に支持していることになる。
     きわめて理不尽な踏み絵だから、前者を選んだ人が責められるべきではないのは当然だが、わたしには無理だった。

     自由に発言し、その発言の責任は自分でとる、というポリシーを貫くなら、どの中央集権型コミュニティにも属さないプラットフォームを自前で築くしかない。
     しかしそれでは、自分の発言を他人に届けるためにはあまりに力が弱い。

     実はイーロン以前からこの点は問題視されていたが、今回新たに注目を集めているのが、Mastodonを始めとする分散型SNSのオープンソースソフトウェアだ。たとえばMastodonソフトウェアを自分のサーバにインストールすれば、誰でも自分がオーナーになってSNSを作ることができる。ほかにもMisskey、Pleroma、GNU Socialなど、いろいろなマイクロブログソフトウェアが開発されている。
     こういったソフトウェアは皆、共通してActivityPubというプロトコルを使っている。そのため、異なるソフトウェアを使ったプラットフォーム間でフォローし合うことができる仕組みだ。
     ActivityPubに対応した種々のプラットフォームがまとまって形成するソーシャルネットワークがFediverseと呼ばれている。

     Fediverseに最初に飛び込むなら、とりあえず既存のMastodonサーバ(mstdn.jpやfedibird.com)やMisskey(misskey.cloudやmisskey.io)、HIVE socialといったサーバ(インスタンス)にアカウントを作って、サーバ内外のアカウントとつながるのが手っ取り早い。
     たとえばmstdn.jpにアカウントがある人でも、fedibird.comにアカウントを持っている人をフォローし、フォローしてもらうことができる。
     既に多くのメディアや著名人もMastodonに参入し[1]Mastodon Migration 、欧州では政府機関のためのMastodonサーバが設置され[2]Phil Lee: “This is significant … The G…” – Mastodon、世界中でアカデミアのコミュニティも続々とできている[3]Academics on Mastodon
     これらをフォローするだけでも当分は退屈しないだろう。

     ただ、もちろん、既存のFediverseサーバに自分のアカウントをもっている限り、そのサーバのオーナーがボスであり、そのボスの方針に従わなければならないことに変わりはない。
     今、ほとんど手弁当でFediverseサーバを運営してくださっている人たちは、少なくともイーロンよりははるかに良心的だとは思うが、なにせ収益が難しいシステムだから、維持のためにはユーザも寄付等で支える必要がある。うっかりevilなオーナーに買われてしまったら、それこそTwitter問題の再来だってあり得る。

     となると、やっぱり自前でサーバをもちたい。
     でも、Mastodonなどのソフトウェアを自分でサーバにインストールして管理するのはか~な~り、大変だ[4]Mastodon v2.4.0にするためにやったこと – 科学と生活のイーハトーヴ
     日々気楽にブログを書く感覚で、なんとなくFediverseとつながりたい。
     ……と思っていたので、このブログ(Wordpressソフトウェアを使ってます)のActivityPub対応をがんばっていたわけなのだった。
     (お使いのFediverseサーバから、@pollyanna@diary.ihatovo.comを検索してもらえればフォローできます)

     ここまでやる物好きがどれほどいるかは疑問なので、たとえば多くのユーザに信頼されている既存のブログサービス(はてなさんとかAmebaさんとかnoteさんとか)がActivityPub対応してくれたら、Fediverseももっと豊かになるかもしれない。
     実際、古くからあるマイクロブログサービスのTumblrが既にActivityPub対応の方針を宣言しているので[5]Tumblr、マストドンと接続へ。分散型SNS標準プロトコルを採用し、Twitterからの脱出受け入れ強化(CloseBox) | テクノエッジ TechnoEdge、この流れが加速してくれて、うまいこと収益につながってくれたらいいなと期待している。

  • ブログのActivityPub対応できました

    Webfinger周りで妙なリダイレクトが発生するところでずっとつまずいていたところ、もはや不要になっていたさくらのレンタルサーバ常時SSL化プラグインを停止して、.htaccessファイルの関連する記述を削除し、もう一回ActivityPubプラグインとWebfingerプラグインを入れ直して無事成功。

    MastodonとMisskeyからフォローできることを確認しました。

    @pollyanna@diary.ihatovo.com

    を検索してください。

このサイトは を使っています。