新型コロナの感染拡大が止まらない

 種々の新型コロナ対策(政策)やそれに対する考え方について、わたしが理解できること(=「わかる」)と理解できないこと(=「わからない」)のメモ。

日本のワクチン接種完了までには時間がかかるかもしれない[1]新型コロナ: 高齢者ワクチン接種、越年の可能性 自民・下村氏言及: 日本経済新聞

わかる
 (理由)全人類がワクチン待機列に並んでいる以上、国内でワクチン生産できないなら、その入手に時間がかかるだろうことは理解できる。より感染が蔓延している国や途上国への配慮も必要だ。
 また、たとえ物自体は調達できたとしても、日本では、ワクチンの接種資格は医師や看護師等に限られているので、国民全体を対象とした接種には、人手の問題で時間がかかるだろう事情も理解できる。
 好ましいとは思わないが、しかたないと理解はできるということだ。

ある程度的を絞り、日常生活をある程度維持した上でコロナ対策もできるのではないか[2]緊急事態宣言、緩すぎるか? 「人は感染対策だけでは幸せになれない。生活にも目配りを」

わからない
 (理由)今年1月の緊急事態宣言は、「これまでの経験に基づいて、効果的な対応策に的を絞って」行われた対策だったが[3]令和3年1月7日 新型コロナウイルス感染症に関する菅内閣総理大臣記者会見 | 令和3年 | 総理の演説・記者会見など | ニュース | 首相官邸ホームページ、残念ながら、その対策で達成可能な感染者数では、宣言解除後1ヶ月も経たないうちに感染爆発して、医療体制が逼迫することが明らかになってしまった[4]大阪「災害レベルの緊急事態」 府の医療政策トップ警鐘 [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル
 変異株の感染力がそれだけ強いということだが、これがまったく予想外のできごとだったはずはない。
 ヒト集団内でそれなりの数のウイルスと常に共存することを許容する「withコロナ」には、集団内で既存/新規の変異株を培養し続けるリスク(しかもかなり高いリスク)が常に伴う。ウイルスの遺伝子は、感染と増殖を繰り返して変異するからだ。
 仮に、現在流行している変異株を駆逐することができて、その後、外国からの変異株移入を警戒して水際対策をいかに厳しくしたとしても、withコロナを続ける限り、日本オリジナルの変異株が生まれるリスクが常にある。
 このリスクを潰すには、ウイルスの感染・増殖の機会を一気に減らす以外に対策のしようがない。つまり、迅速かつ大規模なワクチン接種を行うか、それが無理なら厳しい社会活動制限で徹底的に集団内のウイルス数を減らすしかない。
 今のところ、迅速かつ大規模なワクチン接種を実施することは不可能な状況に見えるので、これ以上withコロナを続けることが正しいとはとても思えない。

東京五輪開催でワクチンを前提としない[5]橋本聖子会長「ワクチンは前提としない」 五輪選手の優先接種課題発言受け(日刊スポーツ) – Yahoo!ニュース

わからない
 (理由)医療者に対してさえワクチン接種が遅々として進まない中、五輪選手を優先接種の対象とすることには、どう考えても倫理的正当性がないと思うので、選手を優先接種の対象としないということはわかる。が、たくさんの人が集まる(無観客としようがしまいが、選手と関係者は集まる)大会で、ワクチン接種を前提としないという考え方はまったく理解できない。
 検査の感度と大会参加者・スタッフの数の多さを考えれば、検査を頻回に行うだけでいいとは思えない。感染拡大リスクはワクチンによって下げるべきだし、ワクチン接種が間に合わないなら、大会自体中止すべきだと考える。