• 21/09/27

     出勤。通勤電車の混雑はすっかりコロナ前に戻ってしまった。混んでる電車キライ……。

     昨日の夜、ふと思い立って、映画『ミッドサマー』を見てみた。グロ描写は大の苦手なのだが、最近、『進撃の巨人』とか『ゴールデンカムイ』とかで、少なくとも2次元であればだいぶグロ耐性ができてきたこともあり、せっかくの話題作にちょっと挑戦してみようと思ったのだった。

     家族を巻き込まないようにひとりで見たので、こわさを紛らわせるためにTwitter実況で騒ぎつつ、そしていつでも止められるようにリモコンの終了ボタンに指をかけつつの視聴。ときどき目をそらしながらも、なんとか最後まで(R+15版)見ることができた。

     音(音楽も含む)と映像がめちゃくちゃ緻密に計算されて作られてる一方で、脚本はけっこうツッコミどころが多いなと感じた。そんな小学生の自由研究みたいな博士論文の書き方ある? みたいな。
     グロシーンは確かに気持ち悪かったけど、全体的に心に来るような怖さはなくて、よーし怖がるぞとサイコホラーを期待していたわたしとしては、ちょっと拍子抜け。後から知ったのだけど、アリ・アスター監督自身がホラー映画じゃないよと言っていたそうなので[1]「ミッドサマー」はホラー映画じゃない? 真意をアリ・アスター監督が明かす : 映画ニュース – 映画.com、これは単にわたしの期待の方向性が間違っていた。
     この映画で起こる怖いことの大部分がドラッグに起因するものだということがわかりやすくて、怖さの理由に謎がないところが、サイコホラー感が希薄だった理由だと思う。向精神作用のある物質が含まれる何かを口にしたら、普段見えないものが見えたり、普段しないことをしてしまいました、というだけの、この上なくわかりやすい因果。サイコホラーであれば、もう少し人間の心理そのものの底知れぬ怖さみたいなものが描かれている方がわたしとしては好みだ。

     ちょっと感心したのは、恋人のクリスチャンが他の女性と性交しているところを目の当たりにしたダニーが号泣し、それにホルガの女性たちが同調して、不思議な号泣のハーモニーが盛り上がっていくシーン。
     ダニーの号泣はとても特徴的で、オープニングでは、家族が無理心中したことを知ったダニーが、長く長く引っ張り、大きく息を入れて、また長く長く引っ張るように泣き続ける声が、タイトルバックにずっと流れている。
     その後、ダニーはなかなか心ゆくまで泣くことがないまま、ストーリーが進む。泣きたくなってもトイレの中で声を抑えて耐えていたりするのが痛々しい。
     それが、恋人の行動によって堰を切られ、特に親しくもない女性たちの集団催眠のような精神作用の共鳴によって盛り上げられて、いつ果てるともしれない号泣として流れ出す。わたし自身はなるほどなあと思ってしまって、カタルシスとまではいかなかったけど、これですっきりする人も多そうだと思った。
     このシーンに至るまでに、美しい協和音が泣き声のような不協和音にスライドしていくようなBGMがいくつも使われて、ダニーが抱えていた不安をずっと演出していたのもうまかった。

     それにしてもやっぱりドラッグはヤバい。知らない人からよくわからない飲食物をもらったらダメだ。

  • 負けないイカロスになる – 『批評の教室 –チョウのように読み、ハチのように書く』(北村紗衣)を読んだ

     本や映画や舞台について自分が書く感想文が、どうにも稚拙で、てんでなってないなという自覚はずっとあったものの、この歳になるまできちんと批評理論を勉強してこなかった。
     わたしの中に、クリエイターの方が批評家よりエラいでしょ(だから創作の方に力を入れるべきでしょ)、みたいな、これまた幼稚な偏見が抜きがたくあったのと、あとは単純に怠惰だったのがその理由だ。

     しかし、批評理論と創作理論は互いを補完しながら進んでいくようなところがあるし、今どき優れて息の長いクリエイターはほとんどこれらの理論をすさまじく勉強しているものだ[1]以前見に行ったNARUTO展で、岸本斉史先生の勉強の軌跡を見て衝撃を受けたこともある。
     「頭でっかち」をバカにしたり、そうなることを怖れる前に、そもそもからっぽな頭をどうにかすべきだった、と遅ればせながら反省して、まずは「批評理論入門―『フランケンシュタイン』解剖講義 」を買ったものの、なかなか手が出ずに、ずっと積読になっていた。

     そうこうしていたら、今月、表題の新刊が出た。『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』がとてもエキサイティングでおもしろかったので、これならひとまず手が出るだろうと読み始めたら大当たり。
     精読する→分析する→書く(+実践編)というシンプルな構成で、各段階をどう進めていくのがいいか、とにかく具体的に書かれていて助かる。読み進めていくだけで、もう半分以上できてる気になっていくので、さえぼう先生は人を乗せるのがうますぎる。
     これで自分も融通無碍・縦横無尽にいい感じの批評が書ける翼を手に入れた、どこまでも高く飛んでいけるぞ、とイカロスのような錯覚に陥りそうになるのだが、さえぼう先生はとんだダイダロスなので、その点は気をつけた方がよさそう。
     さらさら読めてしまうけど、実はけっこう重要な注意事項もしっかり強調されている。辞書を引く、事実を正確に認定する、たくさんの作品に触れる、みたいな忠告を無視して調子に乗りすぎると、たぶん蝋で固めた翼が溶け落ちて墜落することになるんじゃないかと思う。

     とはいえ、イカロスの飛行とは違って、素人の批評一発で死ぬことはまずないはずなので、飛び出さないよりは何度も軽やかに飛び出して、自分の翼を改良していった方がいいはずだ – 「勇気ひとつを友にして」。
     さっきはダイダロス呼ばわりしてしまったけれど、その友にもなってくれるような一冊だと思う。

    References
    1以前見に行ったNARUTO展で、岸本斉史先生の勉強の軌跡を見て衝撃を受けたこともある。
  • 涼しい

     今日の最高気温は24度で、向こう1週間の予報もそんな感じ。暑さ寒さも彼岸まではほんとだった。

     漫画読んだりピアノさらったり。
     Netflix先行配信のアニメ『ブルーピリオド』1話も見た。素人目にもとても美しい色彩で、瞬きするのも惜しいくらい。若手声優さんたちの演技が爽やかで素敵だった。
     もう若者たちを見守る年齢と立場になっているはずなのに、こっそり勇気づけられてしまう大好きな作品。アニメも連載も今後がさらに楽しみ。

     今日の東京の新型コロナウイルス新規陽性確認数は382人。先週の862人から480人減という劇的な減少ペースで喜ばしい。
     やっぱりワクチンの効果はすごいと改めて思う。まだワクチンの供給が不十分な国や地域にも早く届きますように。

     今日の昼は蕎麦(出前)。
     今日の夜は餃子パーティー。

     9時からテレビで鬼滅の刃無限列車編ノーカット放送なので、さっさとお風呂に入ってこよう。心を燃やせ!

  • ちょっと一息

     でかい案件が3つほど、わたしの手をいったん離れたので、ちょっとホッとした。
     立て込んでるときは在宅で仕事できると助かる。集中できるし、通勤時間に縛られなくて済むので。

     結局、夏休みをとらないまま9月が終わりそうで、どこかで有休をと目論んでいた10月も忙しそう。
     10月は舞台のチケットを2つ取ってあるので、そこでうまくエネルギーをチャージして乗り切りたい。

     気がつけば、このweb日記を作ってから半年以上が過ぎていた。
     気楽に書こうと決めて始めただけに、今のところ1週間に10記事くらいのペースで書いている。
     このweb日記を作る前は、即時フィードバックが返ってくるSNSやブログサービスに慣れすぎて、自意識過剰になって書けなくなっていたところがあった。いいリハビリになっていると思う。

     まとまったものをいつか書こう書こうと思っていて書けることはめったにないし、いざ書いてみても、気負いすぎてそれほどいいものにならないことも多い。
     普段からちょこちょこ書いていると、ここはちょっとしっかり書きたいなと思ったときにパッと手が動く瞬発力と、とにもかくにもひとつの記事を完成させる持久力が身についてくる。ような気がする。
     普段の仕事も書く仕事ではあるものの、技術/法律文書を書くときに使う筋肉と、それ以外の、あるていど自分自身を耕さないと書けないものを書くための筋肉は違う。後者の筋肉を鍛えるのに、このweb日記がとても役に立っている。
     それがわたし以外の誰の役に立つのかと言われれば、ごめんなさいするしかないのだが、いずれ回り回って何かの形でわたしが提供するものに反映できれば嬉しい。
     
     気楽にいろいろ書く習慣をつけたい、みたいなことは、実は10年以上前からぐるぐる考え続けていたのだった。
    WordPress for iPhone 導入してみた – 科学と生活のイーハトーヴ
     でもなかなか手が動かなかった。
     その後、この本に出会ってから、ちょっと書けるようにはなってきたけど、まだまだ物足りない。
     『書けるひとになる! 魂の文章術』(ナタリー・ゴールドバーグ=著 小谷啓子=訳) – 科学と生活のイーハトーヴ

     他人の目がないところでは書き続けられない。だが、他人の目を意識しすぎると書けなくなる。
     このバランスを模索してたどりついたのがこのweb日記だったというわけだけど、われながらいいものを作った。シンプルに記録にもなるし。
     
     ここでは、わたしの中から生まれてくる「今、これを書き留めておきたい」という気持ちだけを大事にして続けていこうと思っている。
     お金をいただいて書くものであれば別だが、頼まれもしないで書くものについてひとさまの意向をうかがうのは、それこそ自意識過剰だろうし、サボりすぎだろう。

     今日の昼は、鶏肉のオイスターソース焼き、にんじんとツナの塩きんぴら。
     今日の夜は、Kit Oisixで豚肉と野菜のトマト煮込み、グリーンサラダ。
     

  • 秋分の日

     気温は30度まで上がっている。
     暑さ寒さも彼岸までなので、お彼岸中はまだ暑くてもヨシ! ってことなのかな……(暑い)

     昨日、買い物の帰りに、お散歩中のポメちゃんと目が合って、笑いかけたら立ち止まってくれたので、しばらくアイコンタクトしてたら、ポメちゃんがちらっ、ちらっとわたしの後ろに目をやっている。後ろから来たサラリーマン男性も、どうやらポメちゃんにアイコンタクトしてたみたいで、図らずも2人の他人がポメちゃんのファンサを奪い合う状況に。

     昨日の昼は、マグロカツと、ピーマンと茄子の焼き浸し。
     昨日の夜は、千切りキャベツと豚肉の鍋しゃぶ。
     今日の昼はマック。

  • SARS-CoV-2 IgG抗体定量検査受けてみた

     近所の総合病院で、新型コロナウイルスに対するIgG抗体(スパイクタンパク質受容体結合ドメインに対する抗体)の定量検査をやっているというので、まったくの興味本位で受けてみた。
     受けたのはファイザー2回目を接種した8月13日からだいたい4週間後の9月8日。測定法は、シーメンス(Siemens)社の試薬を用いたものとのこと。

     事前にも何度も説明されたとおり、結果は数値だけをポンと知らせてくれるもので、解釈も診断も証明もしませんよ、という毅然とした姿勢がうかがえる。良心的な病院でよかった。

     とはいえ、自分の抗体価が相対的にどんなもんかということくらいは知りたいので、ちょっと調べてみた。以下は、生物学の博士号は持っているものの、医師でもなんでもないわたしのまったく個人的なメモなので、くれぐれも何かの参考にしようとはしないでください。

     いろんな会社がSARS-CoV-2 IgG抗体の定量検査試薬を出していて、抗体量の測定値についてはそれぞれ独自の単位を使って出している。
     わりとよく見るアボット(Abbott)社であれば、単位はAU/mL(arbitrary units(任意単位)/mL)、2回接種後7日の測定値は、男女でも異なるが平均だいたい1〜2万AU/mL程度とのこと[1]Antibody testing for SARS-CoV-2 infection, quantitative determination, response to vaccines and viral variability、アボット社
     わたしが受けたシーメンス社であれば、測定値の単位はIndex[2]SARS-CoV-2 IgG(研究用試薬) – Siemens Healthineers。測定範囲は0.50 – 150.00 Index。

     こんな感じで、各社、出てくる測定値がバラバラなので、最近、WHOが国際標準単位(Binding Antibody Units, BAU/mL)を作った[3]First WHO International Standard for anti-SARS-CoV-2 immunoglobulin (human)。各社の測定値にそれぞれ決まった換算係数をかけてやると、このBAUに換算できる。
     アボット社であれば、AU/mL × 0.142 = BAU/mL
     シーメンス社であれば、Index × 21.8 = BAU/mL
     ロシュ社であれば、U/mL × 1.029 = BAU/mL
     といった具合。

     で、いよいよわたしの抗体量測定値であるが、60.17 Index という結果だった。すなわち1312 BAU/mL。
     上記アボット社の結果(49人を対象とした研究、平均年齢53歳(s.d.:12))では、ファイザー2回接種7日後の平均は2554 BAU/mL(17987 AU/mL(s.d.:11166))。ギリシャの医療従事者1643人(40歳〜56歳。年齢の中央値は49歳)を対象とした研究[4]Impact of Age and Sex on Antibody Response Following the Second Dose of COVID-19 BNT162b2 mRNA Vaccine in Greek Healthcare Workers, Microorganisms 2021, 9(8), 1725によれば、ファイザー2回接種20〜30日後の中央値が1483 BAU/mL(793.6~2431)とのことなので、まあ、おおむね年齢相応に平均的な量の抗体ができていると思っていいのではないだろうか。

     であれば、むこう半年くらいは安心していてよさそうだし、その後、IgG抗体が減ったとしても、免疫記憶もがんばってくれるだろう。
     ブースター接種は、機会があって順番が回ってくれば受けるけれど、焦る必要はないな、と思った。

  • 中秋の名月

    雲の切れ間に。
    クレーターとか見える月っぽショットも。

     8年ぶりに、満月と同日の中秋の名月とのこと。[1]今日9月21日(火)は満月&中秋の名月 十五夜お月さま見えるかな? – ウェザーニュース
     関東地方はちょっと雲が多め。でもしっかり見えた。

     昼はKit Oisixの肉野菜炒め、甘辛かぼちゃ。
     夜もKit Oisixでお月見リゾット。

     また祝日が来るので忙しいのだもの。。。

  • 2021/09/20

     子供は文化祭2日目へ。
     すっかりいい天気になってよかった。
     平時であれば学校をぐるりと取り囲む(そして校庭にぎっちり並ぶ)入場待機列ができるくらいの混雑だけど、今年は一般公開なし。残念だったところもあるかもしれないが、生徒たちはゆっくりお互いの発表を見たり訪れたりすることができたようで、わりと満足度が高かった様子。これはこれでいい体験だったかもしれない。

     わたしは主にピアノさらって過ごした。

     昼はKit Oisixの肉つけうどん。
     夜はキャベツとベーコンのスープ(電鍋)。

     ベランダから見える月がとても綺麗。明日は中秋の名月。

  • 秋晴れ

    台風一過

     やっと晴れた!
     
     掛け布団とベッドパッドを干してお散歩へ。

    着実に秋めいてきてる。

     

    元気なすすき。

    味が塩辛いわけではないらしい。
    毎年どんどん増える彼岸花。あちこちの草むらが燃えているよう。
    洋酒でも山葡萄でもないよ。洋種山牛蒡だよ。
    「このなかで、いちばんえらくなくて、ばかで、めちゃくちゃで、てんでなっていなくて、あたまのつぶれたようなやつが、いちばんえらいのだ。」
  • 2021/09/18

     午前中は大雨。地域の防災メールが矢継ぎ早に着信し、一時は洪水警報も出た。
     昼過ぎには雨は上がり、近所の川の水位も、朝3メートルを超えていたのが1.5メートル程度にまで下がった。
     夕方にはまたぽつぽつと降り始めた。

     午後は子供の学校の文化祭へ。今年も残念ながら一般公開は見合わせで、生徒の家族のみ入場できる。
     子供が入っている演劇部の公演を見た。去年と同じく役者全員マスク着用、客席の前方数列はすべて空席、さらに一席ずつ間隔を空けて着席というしっかりした感染対策がとられている。マスクをしていても、BGMがあるシーンでも、しっかり客席に届く声が出ていてえらい。
     お芝居はとてもいい話で目頭が熱くなった。周囲でも泣いている人がちらほら。
     記憶喪失の帰還兵を演じた主役の子、めちゃくちゃ下級生にモテそう(*女子校です)。
     衣装係のうちの子が作ったという衣装もしっかりチェックした。比翼仕立てのシャツとはまた高度なものを。
     
     帰りに某駅ナカスーパーに寄ったところ、目当ての紅茶が棚の一番上にあって、ぎりぎり手が届くか届かないかくらい。店員さんもいないので、指先でじりじりと押し上げてずらし、なんとか手元に落とそうとがんばっていたら、親切な男性が「お取りしましょうか」と取ってくれた。助かりました。ありがとうございます。

     数ヶ月前に回転式のティーストレーナーを導入して以来、家の喫茶環境が著しく向上した。
     子供もお茶が好きで、ルピシアをよくチェックしている。気になるリーフティーを気軽に淹れて飲めるのはよい。

     おなかをすかせて帰ってくるに違いない子供のために、電鍋でさつまいもをふかしている。