『慣れろ、おちょくれ、踏み外せ – 性と身体をめぐるクィアな対話 – 』(森山至貴 / 能町みね子)

読んだ。

ちょっと前に『トランスジェンダー入門』を読んだときには、自分がいかに何もわかっていなかったか/わかった気になっていたかと、”蒙を啓かれる” 思いでありがたかったものの、そうやってまたしても啓蒙された気になってしまう自分自身への警戒心に加えて、実はところどころしっくりこなかった部分もあった。

『慣れろ、おちょくれ、踏み外せ』は、そのしっくりこなかった部分も含めてさまざまな「しっくりこない」エピソードがふんだんに語られていて、しかもわかりやすい解決っぽいものの道筋も示されていないにもかかわらず、ものすごくいろんなことが “腑に落ちた” と思う。

自分とは異なる部分が多い性について知りたいと思いながら手に取った本なのに、なぜかセクシュアリティーだけじゃなくて自分が普段抱えているいろんな「しっくりこなさ」を鮮やかに切り出してもらえたという不思議な経験をしてしまった。

人が変わっていくとか揺らぐことをきちんと考えよう、というのがとても重要

私たちは、話が単純な公式にされそうになるといちいちぶった切って、「そんなにシンプルじゃない、こんな例もあるんだよ」という混ぜっ返しをずっとしていると思います(笑)

「ままならなきものを、ままならなきままに生きる自由」

そしてもちろん反抗心。

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