子供、高校卒業!

 今日は子供の高校卒業式だった。

 小学校の卒業式は、PTAの卒対で走り回りつつ、代表挨拶しながらうっかり泣いたりしていた。中学校の卒業式は、とりあえず義務教育が終わった、一区切り、という感じだった。
 高校の卒業式では泣いてしまうだろうかどうだろうか、と思っていたが、目頭が熱くなる瞬間はあったものの、涙がこぼれることはなく、静かで大きな喜びと感謝が満ちあふれるのみだった。

 ミッションスクールなので淡々と式が進行したこともあるだろう。だが、それ以上に、生徒たち、教職員の皆さま、来賓の先生の目と心が、揃って未来に向けられていたことが大きかったと思う。そして親としては、ついに子供を同じ大人と考えてよくなったことが嬉しかった。これからはもう、ただただ庇護するのではなく、大人どうしとして心にかけ、ときに悩み合い、喜び合う関係になれる。

 なんということだ。子供ひとりを成人まで育ててしまった。こんな私が。

 今日の卒業式は、「他者と向き合う」ということが一貫したテーマになっていた。そのように演出が意図されたものではなく、この学校が軸としているもののひとつに、皆の心が集中したからだったように思えた。ウクライナやガザ、そしてアメリカのトランプ大統領就任などがもたらした世界の現状の中に、また今日もあったのだろう。

 子供は4月には家を出て、新しい環境で学び、遊び、暮らしていくことになる。
 何かはよくわからないけれど、ここにほしいものがある、ここでなら何か自分にできることがある、と子供自身が思える環境であることが嬉しい。
 今日、子供と共に卒業した皆さんの未来が実り多いものでありますように。今日まで子供を導いてくださった方々に語り尽くせない感謝を。

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