学士会から、「竹橋事務所『同好会室』、ご利用いただけてますか?」というメールが来た。
”「久しぶりに会おうか」という言葉が自然に出てきたら、囲碁盤を囲んで対局したり、将棋でじっくり勝負をしたり、撞球のショットを競い合ったり―そんな時間を同好会室で過ごすのはいかがでしょうか”
とあって、対象年齢の高さが偲ばれる。撞球!
学士会の事務所に、ちょくちょくインテリの人たちが集まっていたことは、昔の小説などによく書かれていた。
学士会事務所。これは大学構内にあり、クラブとして利用された。自宅に西洋間を有せざる人は、外国人の友人を連れてくることができて便利だった。教授たちも洋間を持つ人は少なく、座敷にテーブルや椅子をおくのがやっとだった(学士会月報・明治24年)。
星新一. 祖父・小金井良精の記(上) (p.234). 新潮社. Kindle 版.
また、24年から翌年にかけては、碁に熱中した。週に一回、あるいは日記に書かなかった日を入れたら、もっと多いかもしれない割合で打っている。相手は大沢謙二、緒方正規といったところ。場所は学士会である。
星新一. 祖父・小金井良精の記(上) (p.208). 新潮社. Kindle 版.
山川が、
「では、諸君の集まりでもあるのですか?」
と訊くと、戸水は、
「実は、今日、神田一ツ橋の学士会事務所で同志が集まっています」
と打ち明けた。
松本清張. 小説東京帝国大学(下) (ちくま文庫) . 筑摩書房. Kindle 版.
先輩と用談があったときに談話室は利用したことがあるが、同好会室には行ったことがない。確かこの談話室が、昔の娯楽室にあたるものであったはず。
もう集まる人も少なくなっているのだろうか。どういう人たちが来ているのか、怖いもの見たさで覗いてみたくもある。
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