ワクチン供給に関する政府発表の経緯メモ

 今朝、こんなニュースがSNSで話題になっていた。
ワクチン 来月以降 供給量減少へ 自治体から困惑の声|NHK 関西のニュース

ファイザーワクチンの全国への供給量の推移は、当初は量が限られていましたが、先月から段階的に拡大、安定的な供給が続いていました。
しかし、国は、今月4日、来月以降、大幅に減少すると発表。
ファイザーとの契約に基づくもので、やむを得ないとしていますが、突然の減少に、打ち手の確保に努めてきた自治体からは困惑の声が上がっています。

 同時にこんなニュースも発表されているからややこしい(しかも同じNHKで)。
東京都内 一般向けの接種に向け 来月からワクチン配分本格化へ | 新型コロナ ワクチン(日本国内) | NHKニュース

新型コロナウイルスの一般向けのワクチン接種に向けて、東京都内の区市町村には来月から本格的なワクチンの配分が始まります。

 ファイザーワクチンの供給量減少自体は確実みたいだが[1]新型コロナワクチンの供給の見通し|厚生労働省   【第8クール】 6/21の週・6/28の週 16,000 箱   【第9クール】 7/5の週・7/12の週  8,000 … Continue reading、そんなに急な変更発表がされるものだろうか、と思って、これまでのニュースを確認してみたところ、今年の5月28日にはこんなニュースがひっそりと公になっていた。

ファイザーワクチン、7~9月で7千万回分調達の見通し [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル
ファイザーワクチン 9月までに1.7億回分供給 河野太郎氏 | 毎日新聞

河野太郎行政改革担当相は28日夕、米ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンが7月から9月に約7000万回供給される見通しを記者団に明かした。それ以前が1億回程度といい、9月までに計1億7000万回・8500万人分程度を供給する計算になる。

河野内閣府特命担当大臣記者会見要旨 令和3年5月28日

(問)第3四半期で7000万回、第2四半期までの累計でどれぐらい供給したのでしょうか。
(答)だいたい第2四半期トータルで1億回です。
(問)第3四半期まで1億7000万回ということでしょうか。
(答)第3四半期なら1億7000万回です。

 
 「米ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンが7月から9月に約7000万回供給される見通し」
 「それ以前が1億回程度」
 という情報は5月時点で明らかにされていたわけだが、この情報から、7月以降のファイザーワクチン供給量が半減するぞ、ということを読み取れた人がどれだけいただろうか(わたしは無理)。

 ともあれ、総人口1億2712万人中、8500万人分がファイザー製で9月までに供給される見込みとのことで、並行してモデルナ製ワクチンの接種も進んでいることを考えると、日本はずいぶんゆとりをもってワクチンを確保しているのだなと改めて思った[2]モデルナ製ワクチンの輸入量とかはあまり公開されていないように思う。もう少しわかりやすく情報を出してもらいたい気もする。

 ところで、当初、ワクチンと言えばファイザー製がメインになるとなんとなく理解していたのだけど、なんとなく最近は、大規模接種会場や職域接種で使われているモデルナ製の存在感が増している。

 なんで当初はファイザー製がメインだと思っていたのかと振り返ると、やっぱり今年4月の菅首相の会見か。

 ワクチン、9月までに全員分めど ファイザー製追加供給―菅首相:時事ドットコム

 菅義偉首相は19日、新型コロナウイルスワクチンに関し、米製薬大手ファイザー社のブーラ最高経営責任者(CEO)と行った電話会談を踏まえ、「(国内の全対象者分が)9月までに供給されるめどが立った」と明言した。

菅総理「9月までに全員分めど」 ファイザー製供給|テレ朝news-テレビ朝日のニュースサイト

 アメリカ訪問中にファイザー社のCEO(最高経営責任者)と電話で会談した菅総理大臣は、9月までに対象者全員にワクチンが供給されるめどが立ったと発表しました。

菅首相「9月までに供給」 ファイザーワクチン全員分

菅義偉首相は19日、米製薬大手ファイザー社首脳との電話会談で新型コロナウイルスワクチンの追加供給に実質合意したことを巡り、16歳以上の国民全員分に関し「9月までに供給されるめどが立った」と表明した。

令和3年4月19日 ブーラ・ファイザー社CEOとの電話会談等についての会見 | 令和3年 | 総理の演説・記者会見など | ニュース | 首相官邸ホームページ

米国にて、ファイザーのCEOと電話会談を行いました。そして、9月までに我が国の対象者に対して確実にワクチンを供給できるよう、追加供給を要請しました。CEOからは、協議を迅速に進めたい、そういう話がありました。9月までに供給される、そうしたことにめどが立ったと、このように考えています。

「対象者」の定義について菅首相は明言していないが、「全員分」の言葉が躍った報道のせいもあって、少なくとも当時の接種対象年齢であった16歳以上の者については全員分ファイザー製ワクチンなのかな、と受け取っていた[3] … Continue reading

 モデルナ製もよく効くみたいなので、わたしとしてはどちらでもかまわないが、ちょっと気になったので、メモしておく。

References
1新型コロナワクチンの供給の見通し|厚生労働省
  【第8クール】 6/21の週・6/28の週 16,000 箱
  【第9クール】 7/5の週・7/12の週  8,000 箱 + 調整枠
  【第10クール】7/19の週・7/26の週   8,000 箱 + 調整枠
2モデルナ製ワクチンの輸入量とかはあまり公開されていないように思う。もう少しわかりやすく情報を出してもらいたい気もする。
3総人口1億2712万人中、8500万人分なので、あながち間違った理解でもないとは思う。モデルナ製の大規模接種・職域接種の進み具合次第でファイザー製が余るようであれば、新たに接種対象となった12歳以上16歳未満の子供たちにも対象を広げてほしい。
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