昨日の話。
昨日は一日『ミチクサ先生』(伊集院静)を読んでのんびり。
最近はわりと一般的になってきたかもしれない、明るくユーモラスな漱石像に基づく伝記的小説。だからこそ、晩年の壮絶な闘病生活がより痛ましく、つらく胸に迫ってくるのだが。
ノボさん(正岡子規)や鏡子さんなど、漱石を取り巻く人たちへのまなざしも温かく、気持ちよく読めた。
タイトルの「ミチクサ」は、もちろん『道草』でもあるし、この作品における漱石の生き方にも由来する。
あの築山のてっぺんに登るのに、真っ直ぐ頂上を目指す者もいれば、裏の方から這い上がる者もいるだろうし、まったく違った径から登る者もいる。径の間違いで滑り落ちる者もいるだろうが、落ちることはたいしたことではない。
昨日の夜は、映画『アメリ』を見た。子供ももう15歳なので一緒に。