3月29日に、鈴本演芸場夜席に行ってきた。春風亭ぴっかり⭐︎改め蝶花楼桃花師匠お披露目!
もぎりを抜けたら、年配の男性が「口上のときなどに、ぜひ、こうやって(身振り)振ってあげてください」とにこにこしながら桃花師匠応援タオルをくださった。わたしも「ありがとうございます。おめでとうございます」とにこにこ。愛され師匠だー。(以下、皆さん敬称は「さん」で失礼します)
一花さん「出来心(花色木綿)」(始まったところで入場して申し訳なかったけど、明るくて楽しかった)
仙志郎・仙成さんの見事な大神楽。
桃花さんの兄弟子、玉の輔さんの「財前五郎」(漫談たっぷり)。
文菊さん「熊の皮」(時折はさまる低い大きな声の迫力好き)。
めおと楽団ジキジキさんの華やか実力音曲漫才(私たちはご祝儀出すばっかり、はそりゃそうか、となった)。
馬風さん「楽屋外伝」(馬風さんのときだけ、客席の大きいお姉様方がぱっと華やぐんだよなあ。あの世代特異的に伝わるフェロモンか何かありそう)。
桃花さんの師匠、小朝さん「池田屋」(文治さんの源平盛衰記とかもそうだけど、どう頭を切り替えたら漫談(?)部分と本筋をあんなにパッパと行き来できるんだ)。
圓歌さん「お父さんのハンディ」(ゴルフさっぱりわからないけど笑ってしまう)。
橘之助さんの浮世節(目を合わせて歌っていただけると、もう完全に惚れてしまう。好き)。
三三さん「たけのこ」(新真打すくすく育て、の思いもこもっているのかな)。
お仲入りの間、番頭の林家扇さんが、身振りだけで応援タオルの使い方を客席にレクチャーされてたの楽しかった。
そして披露口上。圓歌さんが、桃花さんの「たちきり」は、志ん朝さんを100としたら120だ、と褒めてらして、ウンウンとうなずく客席。師匠の小朝さんはセクハラ発言連発で、そうでも言ってないと泣いちゃうんだろうなあとは理解できたものの、聞いてる方はちょっとつらかった。三本締めの発声は市馬さん……と思いきや、思いきり乗り出した馬風さんが「ご指名をいただきましたので」と爆笑をとりつつ愉快に締められた。
舞台を整えて小猫さんのものまね(猫八襲名おめでとうございます! やっぱりあの片足上げるやつがないとちゃんと音が出ないものかしら)。
市馬さん「長屋の花見」(春らしくのんびり楽しく、いつもながらあたたかい。大好き)。
正楽さん紙切り(久しぶりに満席のお客さんを見るから緊張する……とおっしゃってた。あれ、パンダ、パンダ、どうやって切るんだっけな、と客席をはらはらさせつつ、できあがりは見事なふたごパンダでした)。
そしていよいよ桃花さん。「はじめまして! 蝶花楼桃花、師匠、でーっす!」と元気にご登場。客席からは一斉に掛け声。
「待ってました!」(わかる)
「たっぷり!」(わかる)
「かわいい!」(寄席ではまず聞かないけどわかる)
演目は、小朝さん譲りの「天下一浮かれの屑より」。この披露目大初日からネタおろしとのことでチャレンジ精神が素晴らしい。新内あり、踊りあり、の大きな音曲噺。とにかく若旦那がかわいらしかったし、三味線もお歌も人形振も素敵でした。これからどんどん磨かれてもっと楽しく、見事になっていくのだろうと思います。おめでとうございます!